内容説明
昔、この星の北の学校に不思議な先生がいた。それは、地球の上から学校というものが姿を消してしまった時代。子供たちの教育は、すべてパソコンによって行われていた。14歳の女の子・レミは、パパとママとおばあちゃんと四人で暮らしていた。ある日、おばあちゃんが街の古道具屋でアンドロイドを買ってくる。それは、100年前に作られた、理科の先生。名前はケンジ1998。キャラメルボックスが、子供と昔子供だった大人に贈る、歌ありダンスありアクションあり勇気ありの、ファンタジックシアター。同時収録『ハックルベリーにさよならを』『TWO』。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
46
★★★☆☆十年後のケンジであるボクからの視点。ケンジの親は離婚した。ケンジは母親と住んでいる。ケンジは家庭教師であるコーキチを通してカヌーの面白さに気づく。父親は新たな愛人カオルさんができる。ケンジは一月に一回父親の家に行く。その時カオルさんの存在を知る。カオルさんはとても優しく、ケンジは冷たい反応をするも好意を抱く。ケンジはカオルさんと分かれる時に自分の気持ちを伝えることができなかった。そのため、ケンジは10年後のケンジであるボクが来たのだ。人間関係の複雑さ。香山リカの言う寛容の大切さが伝えられる。2016/09/07
しいくん
2
演劇をやっている元生徒に薦められて読了。僕は舞台演劇の戯曲のみを単体で取り出して評価することにあまり意味はないように思います。戯曲はもちろんのこと,加えて照明や音楽,そして何よりも舞台で演じる役者さんの汗と涙…それらが一体となって演劇というものが成り立っている。だからセリフの文字だけが羅列してある戯曲のみを取り上げ「つまらない」と評価するのはアンフェアなのではないかと思うのです。正直,僕は熱く彼女(元生徒)が語るほど引き込まれませんでしたが,それはひとえに舞台を観ず本だけを読んでいるからなのでしょう。2013/10/05
佐月
1
学生時代から大好きな劇団キャラメルボックス。劇団親会社の破産を見届け、今は複雑な気持ちも少し持った状態だが、過去に買ったDVDを観直すとやはり面白かった。面白かったついでに一番古い思い入れのある3作が収録されたこの本を買ってしまった。 今改めてキャラメルの作品に触れると、時代特有の古さは感じるものの、どの作品も観易い尺で上手くまとまっている。読後(観賞後)の爽やかな余韻も色褪せない。他の脚本も買いたくなってきた。2023/08/25
風斗碧
1
舞台未見。数年前に手に入れた音楽CDをBGMにしながら読んだ。ケンジ先生の存在感もさることながら、あちこちに風のように登場する「タカダさん」が、何故「タカダさん」なのかに気が付いて得心がいった。SF作家・宮沢賢治の作品をSFで表現する面白さ。これは舞台観たい・・・。 どの作品も、とどのつまり「『自分』はどこにいるの?」「ここにいるよ。」っていうことを訴えていて、優しい。2016/09/16
Makishi Aiko
0
標題作ほか『ハックルベリーにさよならを』『TWO』収録。ハーフタイムシアターのお手頃さは参考になります。一時間のボリューム感がつかみやすい。TWO 懐かしかった……先輩かっこよかったなあ。2012/08/29