First Archives<br> キャッシュとディッシュ

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First Archives
キャッシュとディッシュ

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  • サイズ 46判/ページ数 213p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784845926077
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

話題の文芸新シリーズ[First Archives]第2回配本。



叔父が残した唯一の遺品は、軽くて手ざわりのよい白い皿だった。非正規労働で暮らす男はやがてその力に気づく。購入したモノの代金を返す皿が、男の部屋と人生を変容させていく表題作「キャッシュとディッシュ」。

書籍取次センターで働く男は、春になったら絵の学校へ行くことを支えに冬を越えてゆく。単純労働、屋上の陽光、オートバイ、巨きな女。流れていくコンベヤーの前で抜け出すはずだった時間が過ぎていく群像新人文学賞受賞作「秒速10センチの越冬」。

1997年と2020年、20余年の時を隔てて描かれた、すり減っていく生活、見えない出口、ずらされていく未来、自己責任。失われた30年の閉塞と抵抗を刻み込んだ2編を収録。







形が残らなくなった消費活動の果てには何が残るのか。無駄遣いはただの無駄なのか。貧困と買い物から、生の限界を描く傑作撤退文学。

──渡辺祐真(作家・書評家)



身につまされる。今までつまされたことのない部分が身につまされる。この身につまされ方には、中身が詰まってる!

──斎藤真理子(翻訳家)







※収録作

「キャッシュとディッシュ」『文學界』(文藝春秋)2020年8月号

「秒速10センチの越冬」『群像』(講談社)1997年6月号



◆シリーズ[First Archives]

倉本さおり・滝口悠生・町屋良平の3名が選者となり、文芸誌に発表された小説や入手が困難になっている書籍のなかから、あらためて読み直されるべき作品を刊行していくシリーズです。

文学には、発表時に大きな反響を呼びながらも単行本として読まれる機会を持たないまま時間が過ぎていってしまうことが少なくありません。

First Archives は、そうした作品をはじめて書物として残し、文学の記録として手渡していくための試みです。

発表から時を経て、こうして刊行される作品が、新たな読者との出会いを生むことを願っています。



目次

「キャッシュとディッシュ」

「秒速10センチの越冬」



解説(倉本さおり)


【目次】

内容説明

叔父が残した唯一の遺品は、軽くて手ざわりのよい白い皿だった。非正規労働で暮らす男はやがてその力に気づく。購入したモノの代金を返す皿が、男の部屋と人生を変容させていく表題作「キャッシュとディッシュ」。書籍取次センターで働く男は、春になったら絵の学校へ行くことを支えに冬を越えてゆく。単純労働、屋上の陽光、オートバイ、巨きな女。流れていくコンベヤーの前で抜け出すはずだった時間が過ぎていく群像新人文学賞受賞作「秒速10センチの越冬」。一九九七年と二〇二〇年、二十余年の時を隔てて描かれた、すり減っていく生活、見えない出口、ずらされていく未来、自己責任。失われた三十年の閉塞と抵抗を刻み込んだ二編を収録。

著者等紹介

岡崎祥久[オカザキヨシヒサ]
1968年生まれ。「秒速10センチの越冬」で第四十回群像新人賞を受賞しデビュー。『楽天屋』で第二十二回野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ハルめめ

12
物悲しさが行間からあふれ出しそうな作品。皆、その道を辿る可能性を否定しきれない狭間に揺れていると思った。2026/09/09

そうたそ

6
★★★☆☆ 本書にも収録されている著者のデビュー作「秒速10センチの越冬」や、「ctの深い川の町」等、純文学の中でも著者の作品はかなり好きな方だったので数作読んだが、長らく新作の刊行はなく、もう読めないのかなと思っていたが、フィルムアート社からこんなに素敵な企画が。併録の「秒速10センチ」は言うまでもないが、何と三十年も前の作品。再録だが当時の作品は絶版なので改めて読めるのは有難い。表題作である新作は、購入したモノの代金が戻ってくる不思議な皿を手にした男が描かれる。偽りの豊かさの先は何とも儚く呆気ない。2026/09/29

nekomurice

5
「キャッシュとディッシュ」読了。 お仕事でまさにこういった感じのおじさんに よく出くわすので何とも言えない気持ちになる。 たまに出てくる"あなた"。女性からしたら怖すぎるので、どうか接触しませんようにと思っていたらフェードアウトしてほっと胸を撫で下ろす。 初めはお皿を頭に乗せたりしてたけど、まさかの使い道があり、遅ばせながら人生軌道に乗り始めるのかと思いきや…結末が。 フリーターおじさんがリアリティに描写されていた。 どうしたら良かったんだろうか。2026/10/06

茶坊主

1
モノが溢れている現代のファンタジー? それとも警告?皮肉? 読み終えたら「それで?」ってなる でも、気がつくと自分の部屋のものを じっくりと眺めまわしていたりする 2026/08/24

いえのぶ

1
既に若くもないフリータの男性が、一人で暮らしている寂しい物語2編。「秒速10センチの越冬」は一層寂しい。2026/08/17

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