内容説明
顔文字、絵文字、アスキーアート、スラング、ミーム…気鋭の“インターネット言語学者”が軽妙な語り口で紡ぐ、言葉とコミュニケーションの現在地!ニューヨーク・タイムズほか米メディア絶賛!
目次
第1章 カジュアルな書き言葉
第2章 言語と社会
第3章 インターネット人
第4章 口調のタイポグラフィ
第5章 絵文字とその他のインターネット・ジェスチャー
第6章 会話はどう変化するか
第7章 ミームとインターネット文化
第8章 新しい比喩
著者等紹介
マカロック,グレッチェン[マカロック,グレッチェン] [McCulloch,Gretchen]
インターネット言語学者。一般の読者向けに言語学(特にインターネット言語)についての記事を数多く執筆しており、『ワイアード』ではResident Linguistコラムを連載。マギル大学にて言語学の修士号を取得。ブログ「All Things Linguistic」を運営し、ポッドキャスト「Lingthusiasm」の共同ホストも務める。モントリオール、そしてインターネット在住
千葉敏生[チバトシオ]
1979年、神奈川県生まれ。早稲田大学理工学部数理科学科卒業。2006年よりフリーランスの翻訳家として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サアベドラ
30
emoji、タイポグラフィ、ミームなど、ネットにおける文字コミュニケーションの諸相を広く書いた本。著者はカナダ人の「ネットに強い」言語学者。他のレビュアーも書いている通り、原著が英語なので英語(とくに北米)圏の話題が中心で、lolや動物ミームなど日本でもよく知られているものもあれば、「すべて小文字で句読点を省いて書くと皮肉や無感情を表す」など、英語でネットにある程度潜っていないと知らないような話も含まれている。楽しめたが、ネットの言語を「カジュアルな書き言葉」と定義した冒頭が一番インパクトがあったかな。2021/12/02
めんま
23
インターネットの出現による言葉の変化を、主に英語を対象として論じている。特に、絵文字・顔文字といった記号表現を感情の表現ではなく、「自分の発言の意図を示す意図的な手がかり」と捉えるのは、なるほどと思った。確かに、硬い内容を送っても顔文字を付けることで、「そこまで真面目に読んでくれなくてもいいよ」みたいなメッセージを込めることはある。勉強になった。2021/11/27
原玉幸子
16
LOL(大笑いする)との短縮用語や、フィクションを読む人はノンフィクションばかり或いは本を読まない人に比べて心理洞察が深いとの科学的な検証結果や、日米の絵文字比較をした場合に目と口が表現主体になる違いがあるとの指摘等、面白い事項もありましたし、そもそも私は「ワープロの登場で頭の文章構成能力が変容した」と思っているので、更に進化したインターネットでどうなったかは興味津々のはずでしたが、横書きだからか、哲学考察でなく実例集計だけだからか、のめり込んで読み進めることが出来ない本でした。(●2022年・春)2022/02/21
Akiro OUED
5
メールやチャットで微妙な感情を英語でどう表現をするのか。日本語なら、漢字・ひらがな・カタカナの3種類あるから有利かもね。記号で自在な意思疎通ができるのなら、ビデオミーティングは、案外すぐに廃れるんじゃないか。日本語の書き言葉の最新文法を真面目に語ると、本書より面白いかも。好著。2023/01/27
izw
5
インターネット上で交わされる言葉のやり取りは、ほとんどがキャジュアルな口語のような書き言葉。言語は絶え間なく変化するが、これまでは口頭で話されることで変化してきてきた言語がインターネット上の書き言葉で激しく変化している。その変化をとらえる研究を続けている言語学者が、インターネット上でここ50年くらいの間に起きた言葉の諸相を語っている。スラング、隠語、省略形、口調のタイポグラフィ、絵文字、ミームなど、懐かしいものから、最近疎くて聞いたことももないものまで、細かな解説が続き、楽しませてくれる。2022/06/26