出版社内容情報
ドゥミ、リヴェット、レネ、ゴダール、ロメール、シャブロル、そしてトリュフォー……。
ヌーヴェル・ヴァーグの映画たちは、いかに演劇/劇場としての世界を生きたのか?
「新しい波」から60年、映画と演劇の交錯を問い直し、これまでにないヌーヴェル・ヴァーグ像を描き出す画期的評論!
1950年代末に始まったフランスにおける、ゴダール、トリュフォーら新しい世代の監督たちによる映画革新運動、ヌーヴェル・ヴァーグ(=ニュー・ウェイヴ/新しい波)。映画史における最もシンボリックな出来事のひとつであり、そこで生まれた数多くの傑作群は、すでにそのはじまりから六〇年が経過しようとしている今もなお、世界中の映画作家/観客たちに影響を与え、その余波は世界中に拡散し続けています。
本書は、ヌーヴェル・ヴァーグを代表する映画監督7名の作品群をめぐって、それら映画作品への「演劇」の及ぼした影響を考察するなかで、その全体像をこれまでにない形で描き出します。各章ごとに一人の映画作家が主題となり、作家たちの個々の作品を精緻に分析します。
「映画と演劇」あるいは「映画における演劇性」という、映画史における一大テーマをめぐる本格的な論集であるとともに、ヌーヴェル・ヴァーグの全体像を掴む上でも、最良の入口となる一冊。
☆表紙写真には、本書でも大きく取り扱われた、映画と演劇の関係を最も直接的に探求したジャック・リヴェット監督の12時間を超える大作『アウト・ワン』から、ピエール・ズッカ氏の手による作品スチールを掲載!
【本書で扱う主な作品】
●ジャック・ドゥミ
『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』『ロバと王女』『ローラ』『モン・パリ』『ハメルンの笛吹き』『マルセイユの想い出』etc...
●ジャック・リヴェット
『パリはわれらのもの』『狂気の愛』『恋ごころ』『アウト・ワン:ノリ・メ・タンゲレ』『セリーヌとジュリーは舟でゆく』『地に堕ちた愛』『彼女たちの舞台』etc...
●アラン・レネ
『スモーキング/ノンスモーキング』『巴里の恋愛協奏曲』『六つの心』『恋するシャンソン』『メロ』『去年マリエンバートで』『あなたはまだ何も見ていない』『愛して 飲んで 歌って』『薔薇のスタビスキー』etc...
●ジャン=リュック・ゴダール
『カラビニエ』『カルメンという名の女』『ゴダールのリア王』『中国女』『ゴダールの決別』『フォーエヴァー・モーツァルト』etc...
●エリック・ロメール
『獅子座』『聖杯伝説』『友だちの恋人』『冬物語』『恋の秋』etc...
●クロード・シャブロル
『オフェリア』『ダンディ』『ジャガーの眼』『殺意』『嘘の心』『甘い罠』etc...
●フランソワ・トリュフォー
『終電車』etc...
第一章 ジャック・ドゥミ──輪舞の世界劇場
第二章 ジャック・リヴェット─世界理解の鍵としての演劇
第三章 アラン・レネ─他者へと開かれる映画
第四章 ジャン=リュック・ゴダール─映画の対部としての演劇
第五章 エリック・ロメール─変転する世界劇場
第六章 クロード・シャブロル─演戯から仮面へ
終章 フランソワ・トリュフォー『終電車』、そしてヌーヴェル・ヴァーグ映画の演劇性・世界劇場性
矢橋透[ヤバセトオル]
著・文・その他
内容説明
ドゥミ、リヴェット、レネ、ゴダール、ロメール、シャブロル、そしてトリュフォー…。新しい波の映画たちは、いかに演劇/劇場としての世界を生きたのか?7人の映画作家たちをめぐる映画と演劇の交錯を問い直す画期的評論。
目次
第1章 ジャック・ドゥミ―輪舞の世界劇場
第2章 ジャック・リヴェット―世界理解の鍵としての演劇
第3章 アラン・レネ―他者へと開かれる映画
第4章 ジャン=リュック・ゴダール―映画の対部としての演劇
第5章 エリック・ロメール―変転する世界劇場
第6章 クロード・シャブロル―演戯から仮面へ
終章 フランソワ・トリュフォー―『終電車』、そしてヌーヴェル・ヴァーグ映画の演劇性・世界劇場性
著者等紹介
矢橋透[ヤバセトオル]
1957年鎌倉市生まれ。神奈川県立湘南高校を経て、筑波大学第二学群比較文化学類、大学院博士課程文芸・言語研究科で学ぶ。博士(文学)。岐阜大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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