あのころ、天皇は神だった

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  • サイズ 46判/ページ数 189p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784845917068
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

第二次世界大戦中のアメリカで、強制退去によって追われた日系人の一家。

彼らはユタ州の砂漠にある収容所に送られる。家族それぞれの視点から語られる、有刺鉄線の内側で過ごす日々……。

オオツカの長編デビュー作、待望の新訳。



「かつて、「日本人」であるというだけで、囚われたひとたちがいる。ひどいめにあわされたひとたちがいる。かれらの普通の日々を狂わせたのは、「神」だった」

――温又柔(小説家)



「歴史のけたたましい音の下でひっそりと息を殺していた、名もなき声の数々が、物語のなかでこだまする。不穏で、残酷で、そして美しい言葉が」

――藤井光(アメリカ文学研究者)



【内容紹介】

カルフォルニア州バークレーで暮らす日系アメリカ人家族に突然訪れた不幸。

パール・ハーバーの夜、父親が尋問のためFBIに連行された。

そして翌1942年春のある晴れた日、街のいたるところにあの告知が現れた。「強制退去命令十九号」。

残された母親とその子ども二人が、込み合う列車に乗り込み、たどり着いたのは、ユタの埃っぽい砂漠の有刺鉄線で囲われたバラックの町だった…。



「天皇が神だった」あの時代、名もなき家族の人生が深く、大きくゆさぶられる…。



『屋根裏の仏さま』でPEN/フォークナー賞を受賞した、ジュリー・オオツカのデビュー作が小竹由美子の新訳で復刊。

強制退去命令十九号

列車

あのころ、天皇は神だった

よその家の裏庭で

告白

  訳者あとがき

ジュリー・オオツカ[ジュリーオオツカ]
著・文・その他

小竹由美子[コタケユミコ]
翻訳

内容説明

第二次世界大戦中のアメリカで、強制退去によって追われた日系人の一家。彼らはユタ州の砂漠にある収容所に送られる。家族それぞれの視点から語られる、有刺鉄線の内側で過ごす日々…。オオツカの長編デビュー作。

著者等紹介

オオツカ,ジュリー[オオツカ,ジュリー] [Otsuka,Julie]
1962年カリフォルニア州パロアルトに生まれる。父は戦後渡米した一世で母は二世。イェール大学で絵画を学び、コロンビア大学大学院で美術学修士号取得。二人の弟は弁護士と政治哲学及び倫理学講師。2002年、大学院在学中に書き始めた『あのころ、天皇は神だった』でデビュー、注目を浴び、アレックス賞、アジア系アメリカ人文学賞を受賞。2004年、グッゲンハイム奨学金を受ける。2011年、二作目の『屋根裏の仏さま』を刊行、PEN/フォークナー賞、フランスのフェミナ賞外国小説賞、ドイツのアルバトロス文学賞ほかを受賞、全米図書賞最終候補となった

小竹由美子[コタケユミコ]
1954年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒業。訳書にアリス・マンロー『イラクサ』『ディア・ライフ』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

107
これは...、訴えてこなかった。語り口が合わないということあるかも。された事を理不尽に思う気持ちが際立っているように捉えてしまうから、ダメなのかもしれない。2018/12/09

天の川

42
戦争の犠牲者はいつも弱い者だ。「強制退去命令十九号」で、女は一人黙々と収容所に行く準備をする。すべてに疎漏のないように。積み上げた財産、ペットの犬や盆栽に至るまで。戦争が始まるや夫を検挙されてしまった女は一人で始末をつけるしかないのだ。子どもの目で語られる収容所の生活、戦後の解放と敗戦国出身者への風当たり。夫の独白…。女は『屋根裏の仏様』の女達の誰かだ。辛酸をなめながらアメリカに根を張った人々が一夜にして敵性行為を疑われ、解放されても元の関係には戻れない。日系一世・二世の苦難の道のりに思いをはせた。⇒2019/05/03

星落秋風五丈原

40
そんなに天皇一辺倒という内容ではない。登場人物はある一家のそれぞれのようにも思えるが、名前がないので収容所に送られた家族のいずれにも当てはまるようである。この手法は誰でもやっていいというわけではないのでご注意を。2018/10/25

みねたか@

37
アメリカ、日系人の一家。真珠湾攻撃により敵性外国人となり、父は勾留され、残された家族は収容所に送られる。移動する汽車、収容所、そして解放された以後のくらし。寂しさ、怖れ、不安、屈辱など、さまざまな感情が淡々とした筆致の中でリアルに胸に迫ってくる。苛烈な数年間の軌跡が僅か200ページ弱の中に凝縮されている。こんな素晴らしい出会いがあるから読メはやめられない。2020/04/19

くさてる

31
第二次世界大戦中に日系米国人が強制収容所に抑留されていた事実を基にした「屋根裏の仏さま」が素晴らしかったので、同テーマで一冊目のこの本も読んでみた。解説によると文字通りの処女作である「強制退去命令十九号」が図抜けて良かった。ちょっと息をのむようなきつい場面があるほかは、主婦の淡々とした日常の仕草として描かれる強制収容所に向かう準備。しかし、そのきつい場面こそがこの事態の非人間さを象徴しているのかも。あとは最後の「告白」。この静かな言葉に秘められた弾劾の厳しさと苦しさ、脱力感。良かったです。2019/04/06

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