出版社内容情報
地味だが味わい深い古墳の魅力と青春の光と影を愚直に描く古墳青春グラフィティ
奈良の高校生・埴田麻央(はにま)は古墳めぐりに夢中。岩屋山、箸墓、黒塚、行燈山、櫛山……地元を中心に古墳を訪ねてまわり、好きが高じて「古墳部」を立ち上げる。人間関係や将来に漠然とした不安を抱きながらも、恋に、古墳に、青春まっさかり!
香具山は畝傍ををしと
耳成と相あらそひき
神代よりかくにあるらし
古も然にあれこそ
うつせみも妻をあらそふらしき
(中大兄皇子/「万葉集」)
ままならぬ青春ともの言わぬ古墳ーー『奈良へ』『令和元年のえずくろしい』作者の新境地!!
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■『はにま通信①』書誌情報
A5判/160頁/1100円(税込)/装丁:川名潤/発行:リイド社/ISBN978-4-8458-6795-0
■連載媒体:トーチweb
■試し読みページ:トーチweb「はにま通信」
https://to-ti.in/product/hanima
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぷほは
5
「青春古墳グラフィティ」という帯の文句の、その通りの傑作。ちくま文庫『死者の書』は私も学生時代にバイト先の本屋で買ったので、あの石室の中の暗闇、こちらの呼びかけに全く応えてくれる気配のない折口信夫的な意味での「古代」を感じさせる雰囲気、古墳めぐりをする人々が何を求めて行っているのかを体感させてくれる。付録のポストカードで古墳内でとても嬉しそうにピースサインをしている作者の笑顔に笑ってしまったし、帯のキャラ解説で「ダサみが強く女子の視界に入っていない」と散々な書かれ方をしている男子学生の凋落に期待が膨らむ。2025/06/15
緑虫@漫画
2
★★★★ 高校生女子が友達と古墳を回ったり悩んだりする。ていうか、主に悩んでるのは、帯文曰く「ダサみがひどい」同級生男子・安永なのだが…。安永はキャラ造形の端々まで繊細にダサく描かれているのだが、一方で自身のダサさを自認し(自認しきれてない部分もあるが)、なんとかしたいと足掻いており、その姿には愛おしさを感じさえする。大山海史上最もキャッチーな漫画だと思うけど、安永だったり生徒会長・宇仁のパンクなスピーチだったり、青春漫画とは食い合わせの悪そうな大山海的キャラを日和らず描いてるのがいい。こういう漫画好き。2025/05/29
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