出版社内容情報
好蘭堂×雲霧×火盗改メ──二万両を巡る三つ巴。
松屋吉兵衛篇、ついに終結。
雲霧仁左衛門一党の名古屋での関係先を三手に分かれて監視する火付盗賊改方。その夜、雲霧一党の松屋吉兵衛方への押し込みがついに決行される。獲物の目算は金二万両。金蔵への案内を拒む吉兵衛に対し、仁左衛門が積み上げてきた〈仕込み〉は奏功するのか? 空前の大仕事が迎える結末とは?
天下の大盗賊・雲霧仁左衛門一党と特別警察・火付盗賊改方の熾烈なる攻防。池波正太郎の傑作小説を時代劇画の名手がコミカライズ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
JACK
14
☆ 名古屋の大店に狙いを定めた大盗賊の雲霧一党。雲霧を捕らえるべく動向を探る火付盗賊改方。大きな盗みの中で雲霧一党の団結に緩みが生じ、危機が訪れる。相変わらずスリリングで引き込まれる面白さ。火付盗賊改方の同心、高瀬俵太郎が死に直面した際の台詞に涙が出ました。「俺はこんなところで死ぬのか。何のお役にも立てぬまま。おかしら、山田様、母上、申し訳ございませぬ」。自分が死ぬという時に、上司への謝罪が出てくるところが凄い。仲間との繋がりの強さ、上司への忠誠心、仕事への情熱が熱い。崗田屋愉一先生の作品は素晴らしい。2025/04/16
さとみん
6
この結末は三者痛み分けなのかな。とはいえ雲霧を包んでいた霧が少しずつ薄れているようで、この先を考えれば火種があちこちに残っている。六之助の穴がどんどん大きくなっているのが不穏。2025/03/27