出版社内容情報
うれしくて胸が高鳴る男6組12人の物語
著者は業界でひくてあまたの大注目の新人・つゆきゆるこ。
出会いの喜びをみずみずしく、そして繊細に描き出す本巻は、著者のデビュー作にして会心の一冊です。
#1 STRANGE
女装バーで働くゲイのクマさんと高校生のオデコちゃん。
交じわるはずのない二人が偶然出会うことで、
それぞれの人生が美しく、ゆたかに変わっていく――。
#2 CONNECT
おっとりとせっかちの男子高校生。
性格が水と油の高校生同士が知る、お互いのいいところ…。
#3 BRIGHT
サラリーマンとハワイの青年。
あたたかな日差しの下、心がゆっくりと溶けていく…。
#4 FRIEND
孤独な図書委員と問題児。
不器用すぎるふたりが、最高の関係になるまでの話。
#5 PRETTY!
国語教師と愛犬家のヤンキー。
犬を愛しいと思う気持ちは、ふたりだけの秘密。
#6 MOVE
アニメ好きの伯父と生意気な甥。
二十もの年の差があるふたりが同棲することに…。
大切な人との出会いを通じ、それぞれがゆるやかに、
そして確かに変化していくことの〈喜び〉と
〈幸せ〉を描いたきらめく秀作6編を収録。
それぞれの物語のその後を描いた描き下ろし漫画も収録。
著者プロフィール
つゆきゆるこ[ツユキユルコ]
2014年にアンソロジー『下衆BL 』(リブレ出版)収録の中編「せまいせかいに」で商業誌デビュー。
軽やかで繊細な心模様を描き出す編集部注目の作家。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
118
これはお勧め。男同士のつながりを、繊細にユーモラスにほろ苦く描いた短編集。ボーイズラブというより、ボーイズフレンドシップといった感じ。「フレンド」に出てくる一見強面の上田野のような少年が、クラスメートと触れ合うことで、心を開いていく過程は読んでいて微笑ましいし、ほろりとした。一話の「ストレンジ」も素晴らしい。ゲイのバーで働く男と高校生の男の子の心の触れ合い。男の子が照れくさそうに、ゲイバーの男に自分の胸の内を明かすことで、心が通じ合う。一作目でこれほどの作品を生み出すことができる作者の今後に期待したい。2018/02/10
吉田あや
67
6編の優しい縁を描いた「ストレンジ」。LGBTQがテーマのひとつとして含まれながらもBLに非ずなところがまた素晴らしい!人の縁は恋だけに限ったことではなく、その何気ない繋がりが人を救い得ることをそれぞれの短篇の中に見事に描かれていて、どのお話も愛おしく、優しく、光に満ち溢れていて素晴らしかった。視野を狭める恋ではなく、心の視点を広げ、和らげてくれる素敵な関係に癒され、満ちる。短篇ゆえの余韻と想像の余地も愉しかった。2020/01/04
Nishiuchi130
43
男12人、6組の男同士の話がかかれたオムニバス。でもBLじゃない。日常の、男同士がなかよくなるはなし。高校生ぐらいの男子が多く、純粋で素直になれなくてでも理解してほしい、という青さが怒涛のように押し寄せて読者を浄化する。みんな悩みはあるけど、つらいことばっかりでもないし、仲良くなれた奴もいるし、という日常がドラマチックじゃなく語られます。欠点は・・もうすこし、もうすこし各カップル(?)のその後を読みたくなることだなーと!2017/09/02
パンダ侍
37
★★★★☆ 6組の男子の物語。惚れた腫れたはないけれど、たしかにそこに愛があったと思う作品集。 スゥーッと浸透するように読める、 優しいスープのような。メインほどのがっつりさも、デザートの甘さもありませんが、多分また読み返したくなるはず。お守りみたいに本棚に入れておこうと思います。2017/06/16
ぐっち
33
違うカテゴリの2人が出会う短編集。表紙のオデコちゃんとクマさんの話がいいな。2017/05/28