内容説明
ハリウッド誕生から1世紀、その業火に焼かれたスターは多い。チャーリー・チャップリン、クララ・ボウ、エロール・フリン、ジーン・ハーロウ、フランシス・ファーマー、マリリン・モンロー…。この本は、スキャンダルから時代を読み取る猛毒の書だ。ハリウッド地獄篇。
目次
紫の夜明け
魔手
デブ君退場
大物のパニック
アレルギー性鼻炎
陽気なウォリー
シャンペン風呂
ヘロイン・ヒロイン
新しい神々
チャーリーの小悪魔
口―リータ
ウィリアム・ランドルフの霊柩船
ルディの評判
ドスケベ、ドイツ野郎
ハリウッドねたの見出し
クララのお相手
日没のサターン
不安
すべておしまい
バビロンのおしゃべり雀
怪物メイ
青い日記帳
死のガレージ
ついてるフリン
おじさま、この子は誰の子?
復讐の女神の娘、聖女フランシス
期待はずれの自殺計画
ギャングが町にやってくる
アカ狩り
騒動行進曲
いかさま稼業
血まみれのメロドラマ
ハリウッドの黄昏
1巻の終わり
『ハリウッド・バビロン』ふたたび
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
グラコロ
3
社会人になったら本を大人買い…とはなかなかならなかった。時はミニシアター花盛り。古いも新しいもメジャーもマイナーも観るは観るは。これはハリウッドの黒歴史。面白いよ。グラコロ堂〈人生で影響を受けた100冊〉https://bookmeter.com/users/626279/bookcases/115521731989/04/21
KO
3
ハリウッドが一番煌びやかに輝いていた時代の元祖セレブゴシッピィ本。20年代から60年代くらいまでがカバーされているけど、スケールもエピソードの面白さもやっぱり20年代が一番!でもその頃の映画ってほとんどDVDになってないんだよね・・・。知らない俳優、女優が割と多かったので、ぜひこれを機に映画を観たかった。。。2015/01/15
fritzng4
2
20年ぶり再読。ハリウッド地獄篇。栄華の脇には零落がある。映画の都は常に死や危険と隣り合わせだ。サイレント期の映画はまだ新しいメディアで、猥雑で魅惑的。だからこそ其処に各地から有象無象が群がる。今でいうYouTubeやTikTokと、インフルエンサー志望者に近いのかもしれない。志望者はそして死亡する場合もある。多くの扇情的な写真と、醜悪ながら詩情に満ちた文章、偽りや誇張が散逸するとはいえ、誰がこの本の魅力に抗しきれるだろうか。百年前のハリウッドを追体験したくなる。2023/02/01
uburoi
1
このリブロポート版の前に1978年に出た初の日本語版を読んだことがあった。それは図書館で借りた本だったので自分の財産として蔵書とはならなったのだが、およそ10年後に同じ監修者・訳者の新訳版が書店に並んだのを見て狂喜したのだ。その後パートⅡまで刊行された。しかしいままで読むことはなかった。今回デイミアン・チャゼル『バビロン』2022をきっかけに読んでみた。アンガーが元ネタかと思っていたがそうでもなさそうだ。ブラピのジャック・コンラッドにジョン・ギルバートの面影が少し見えるくらいだった。2023/04/29
c
1
期待していた「LAノワール」はイマイチだったが、ゲームから遡行して手を伸ばしたこの本は当たりだった。ゴシップの意識・無意識的な編集により構築された、魔都としてのハリウッド。サイバーパンクすら思い起こさせる仮構性。エルロイはその仮構都市に魅入られてLA四部作を書き、派生作品として「LAノワール」も生まれる。結局、エルロイとブラックダリアの磁場から逃れられなかったのが、「LAノワール」失敗の原因だろう。いっそ、この本で主に描かれている、魅力的すぎる1920年代を舞台にすればよかったのでは?2011/08/27