出版社内容情報
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内容説明
暖かい野の朝、谷間で「ハルロオ」と呼び、木精の答を聞く。それがフランツの楽しみだった。森〓外の名作が、書籍の装画やCDジャケットなどで知られ本シリーズでは横光利一『春は馬車に乗って』を担当するイラストレーター・いとうあつきによって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第34弾が登場。
著者等紹介
森〓外[モリオウガイ]
文久2年(1862年)島根県生まれ。小説家。東京大学医学部卒業後、陸軍軍医となり、留学生としてドイツに4年間滞在した。帰国後『舞姫』などを発表し、小説家としても活動をはじめる。またゲーテ『ファウスト』などの翻訳も行った。大正11年(1922年)没
いとうあつき[イトウアツキ]
イラストレーター。文教大学教育学部心理教育課程卒業。保育士として勤務後、イラストレーターに。ギャラリーDAZZLE実践装画塾7期修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
86
乙女の本棚・第34作品目。森鴎外著。初出1910年。イラストは、いとうあつき。小さい頃には当たり前のようにかえってきたこだまが、しばらく山と向き合わず、青年になって訪れるといつものこだまがかえってこない。そこに一種の死を見出した。しかし、同じ日の夕方に七人の子供たちがこだまの声を聞いていた。こだまは死なないことを知り、自分が呼ぶのはもうよそうと決意した。まず、こだまを木精としている違和感。青年ではなく子供だけがこだまを聞くことができるのはなぜなのか。何かの寓意なのだろうか。2026/05/09
優希
49
木精は子供の頃しか聞こえないものなのでしょうか。絵本のような物語になっています。2023/11/23
たまきら
38
森鷗外のキリリと簡潔で清らかな文章、子どものころ好きだったなあ…と思い出しました。あの頃の、特別な時間。それをこだまというシンボルで表現しているのが、子どもの頃の自分にはまるで魔法のように感じられたものです。どこまでも軽い体で音もなく走り回り、高く高くブランコを蹴り上げ、周囲がギョッとするような高さから飛び降りてもなんともなかった私の体。あの頃にも取りたいとは思わないけれど、まったくただの容器でしかなかったあの体は、確かに良い笛のようなものだった気がします。50過ぎて再読できてよかった。2026/04/01
ちえ
38
森 鷗外の短編。教科書に載るような話しか読んでいなかったから、こんな話も書いているのかと新鮮だった。「乙女の本棚」は絵とのコラボが魅力。いとうあつきさんの絵はお話とマッチした素敵な絵。初めて見る気がすると思ったら同じ「乙女の本棚」の『春は馬車に乗って』の方。こちらもとても好みでした。2023/12/19
クラムボン
33
ブロンドの髪を持つフランツ少年は、谷間を隔てて屏風のようにそそり立つ巌に向かって高音で「ハルロオ」と呼ぶ。暫くするとコントラバスのような声で「ハルロオ」と答える。鴎外は「これが木精(こだま)である。」と書いている。私には此処だけで既にいくつもの不思議がある。山で叫ぶのは「ヤッホー」で、返るのは「やまびこ」。超低音で聞こえるかな⁈ 「こだま」の漢字変換では「木霊・木魂」だし…。鴎外はドイツ通なので、この言葉や現象が明治期の西欧通の人々の常識なのかな? 物語の内容以上に、それらのことが気になってしまった。2024/04/06




