内容説明
「それいゆ」「ジュニアそれいゆ」「ひまわり」「女の部屋」などで活躍した中原淳一。イラストレーター、ファッションデザイナー、スタイリスト、インテリアデザイナーなど、多方面で類い稀なる才能を発揮した彼の、今見ても美しいシルエット・イラストをちりばめた物語集です。「マッチ売りの少女」「椿姫」「人魚姫」「カルメン」など、誰もが知っているようなお話が、見事に中原淳一ワールドに生まれ変わっています。当時を知る方には懐かしく、初めて見る方には新鮮な、中原淳一独特の美意識に貫かれた乙女の世界。時代を経ても決して色あせないその叙情とロマンを、ぜひお楽しみください。
著者等紹介
中原淳一[ナカハラジュンイチ]
香川県生まれ。18歳のときに趣味で作ったフランス人形が認められ東京の百貨店で個展を開催。それがきっかけで雑誌「少女の友」の挿絵、口絵、表紙絵、付録等を手がけるようになり、一世を風靡する人気画家となる。第二次世界大戦後は、女性に夢と希望を与え、賢く美しい女性になってほしいとの理想に燃え、自身で雑誌「それいゆ」(1946年)「ひまわり」(1947年)「ジュニアそれいゆ」(1954年)「女の部屋」(1970年)を相次いで創刊。1958年に病に倒れ、長い療養生活の後、70歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
82
昭和20年代〜『ひまわり』『それいゆ』などの少女雑誌に掲載された作品14篇。「白鹿姫」や「沼の中の王子」など知らないお話がけっこうあった。「椿姫」「蝶々夫人」「カルメン」は要約版という感じで、物語のエッセンスを楽しめる。ピンクとブルーの紙面に中原淳一さんの可憐なシルエット画がふんだんに掲載されているのがなんとも贅沢。モノクロの線描はまさに少女漫画のルーツだと思う。文章は読みやすくリライトされているのだろうが、とても格調高い感じがして絵にぴったりだった。2017/01/03
にゃんこ
15
書店で見かけ、一目惚れ♡ なかなか読めずにいましたが、今回、じっくりと作品に触れる事が出来た事に感謝♡ 本当に、著者の描く少女のイラストは、可愛くて大好きです! ひとつひとつの作品の挿絵にイラストがたくさんあり、かなり贅沢な作品です。2017/10/20
鳩羽
9
アンデルセンやオペラ、グリムなどの物語を、中原淳一の可憐な影絵のような装画が彩る物語集。「白鹿姫」「沼の娘」など意外と知らない話も多く、文章も丁寧に書かれていて高い満足感が得られた。王子さまと結ばれるというハッピーエンドもあれば、儚く散ることもあり、また、物語上で語られる試練もあれば、物語上にない苦難が物語の礎になっていたりもすることもある。多弁ではない文章と装画だが、雄弁に繊細な感情を表し、複雑な事情と、それを断ち切るストーリー進行の快さを教えてくれる。2016/07/11
かりん
2
4:《昭和20年代とは思えない、おしゃれな絵本。》数か月前のジャケ買い本が積読になりかけていたところ、中原淳一さんを思い返す機会があり、ちょこちょこ読み進む。昭和20年代を中心に「ひまわり」「それいゆ」などに掲載されたもの。しかし古さは感じず、おしゃれ。人魚姫などの童話に中原さんのシルエットの絵がいくつかついている形式です。ピポー物語が毛色が違っておもしろい。実は未読だった蝶々夫人や椿姫のストーリーを知れたのも良かった。持っているだけ、読んでいるだけでも気分があがります。2016/10/13
夢現
1
とにかく中原淳一のイラストが素敵で贅沢な気持ちになります。2017/01/25