内容説明
「ボランティアなんて偽善だ」と豪語する協力隊員の主人公沢田。対するボランティアを絵に描いたようなライバル隊員の羽村。二人の仲をとりもつ女性隊員の志穂。その三人の成長物語。青年海外協力隊体験は大きな旅だ。旅は大きな発見をもたらし、人生を飛躍させる。
著者等紹介
吉岡逸夫[ヨシオカイツオ]
東京新聞元編集委員。桜美林大学非常勤講師。青年海外協力協会理事。愛媛県生まれ。米国コロンビア大学大学院ジャーナリズム科修了。青年海外協力隊員としてエチオピアTV局、難民救済委員会で約三年間活動。紛争地など六八カ国を取材。東京写真記者協会賞、開高健賞、テレビ朝日やじうま大賞を受賞。2012年にMXテレビのコメンテータを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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百太
22
ボランティアってなんだ?と思う事しばしば。 被災地に住んでいる私、震災時、多くのボランティアの人たちを見ました。 有難さが多かったのですが時々 「偽善だろう」「自分探しに利用してるのか」などと 思ってどんよりする事も有りました。 本署の中で “無意識の中に有る美しい意識”って人を信じる事ができる良い言葉だなと・・・。 映画見てなかったのですが・・・ユーチューブの予告編で流れている 中島みゆき「ヘッドライト・テールライト」が染みます。 2019/02/11
yamakujira
4
青年海外協力隊に応募して、フィリピンに派遣されたカメラマン志望の澤田は、同期の羽村との確執や現地の姉弟との交流から、協力隊の活動内容や自分の生き方を思い悩む。きっと映像に忠実なのだろう。自発的なボランティア精神は尊いに違いないけれど、ボランティアは偽善だ自己満足だというのも一面の真理だろう。自己満足でも他人の役に立てばいいじゃないかとは思うものの、ボランティアを無料奉仕と定義するのはおかしいよね。ボランティアの意義を問ういい話なのに、なんとも薄っぺらく感じるのはなぜだろう。 (★★☆☆☆)2017/08/13
アンジー
0
青年海外協力隊がどのようなものであるのかも、ぼんやりとしか知らなかったから、この物語を通して知ることができて良かった。境所長が沢田樹に話した、ボランティアの概念は、沢田樹の意見に近かった私には、新鮮だった。その一方で、吉岡さんの意見にも共感した。ボランティアは自立する手助けをするものなのかなと考えた。国によって、建物や食べ物といった物質的なものだけでなく、接し方や考え方も含めて見える世界が違うことも改めて感じることができた。海外に出て、いろいろな人と接しながら学ぶことの大切さを知った。映画も見てみたい。2016/09/25