内容説明
「音」に触発されて情景を描き、その背後にひそむフラン人の生活と歴史、音から見えてくる風土を表現する野心的な試み。フランスに移り住んで三十余年、フランス人とともに生活し、ワイン・料理にも詳しく、国内を縦横に旅した著者が描き出す、異色の「ふらんす」案内の書。
目次
馬の蹄の響き(ブーローニュの森で;氷屋の荷馬車;幻の野生馬の群れ)
風の囁きと怒号(吹き抜ける風の囁き;海食崖の縁に沿って;「雨に沐い風に櫛る」)
プロムナード(中世ブルゴーニュの余韻;シャンペンの泡;ヴォージュ山中のこだま)
小物屋の今昔(パリの呼び売り;生き残り組の周辺;クラフトの世界)