出版社内容情報
裁判員制度は2024年で開始15周年をむかえます。とはいえ「裁判員はなにをしているのか」を具体的に知る人は少ないはず。本書は実際に裁判員をつとめた経験者へのインタビューを通して、裁判員裁判のリアルを覗きます。巻末には制度を振り返り今後の課題を提起する論文も収録。
内容説明
9割以上が“よい経験”!?誤解だらけの裁判員制度をまるごと覗いた!ここまで話して大丈夫?経験者だけが知ってる“非日常”の体験談。
目次
1 インタビューを読むまえに―裁判員制度の基礎知識(知っておきたい裁判員裁判のキーワード;裁判員裁判のながれ;裁判員に選ばれるまで)
2 裁判員17人の声(大切なことは文字や言葉ではなく「人」・「自分」と向き合うことから学ぶことを知りました;みんなの○○が××なのは良かった;切ない事件でした;こころの負担について、具体的にこんな気持ちになった、という症状などのチェックリストがあればいいと思いました;経験後は法に興味を持ち、法社会学の授業を受講するきっかけになりました;全員で話す これぞ民主主義だ! ほか)
3 裁判員制度のこれまで・これから(巻末論文 司法への市民参加の進展と課題―制度開始15年にあたって 大城聡(弁護士))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
63
どこか意識の遠くにいってしまった感のある裁判員制度。その距離を縮めるために手に取った。17人17様でありながら、共通するのが、結果としてやってよかったという姿勢。共に裁判員として取り組んだ方々との一体感。一つの裁判に関わる人々への思いが感じられる。迷いながらも、真摯に取り組むことで、視野・思考が広がり達成感につながる。多くの示唆を含んでいると思う。2024/10/10
れっつ
33
このような本を待っていた!裁判員経験者17人へのインタビュー形式で、知られざる率直な感想や意見と共に、裁判員に選ばれる経緯や関連する必要情報が盛り込まれ、親しみやすく読みやすく仕上がっている画期的な1冊。裁判員の守秘義務の範囲は自分が思ったより狭く限られていたが、それでも罰則付きの一生の守秘義務は一般人には重い、と経験者は語る。でも、一般市民の感覚で事件と人と、人を裁くことに向き合うための準備・配慮は様々になされていて、殆どの人が裁判員経験を稀有な良きものとして捉えていた。裁判員になる日に備えるこの1冊!2024/10/23
まる子
26
読友さんの本より。選挙権がある人が事件ごとにくじで選ばれる裁判員候補者。選ばれる確率は0.01%だそう。もし自分が選ばれたらどのような審理、評議をするのだろう。自分にできる事なのか、知識など裁判員を経験してどうだった(自分の変化)のかを裁判員を経験した17人のリアルな声です。著者2名は同じ旬報社から出ている『高校生も法廷に! 10代のための裁判員裁判』を書かれた方で中学校にも入っているのでは?社会科教諭2名にチェックしてもらったら「これ、入ったらじっくり読みたい」と。中高生〜大人まで読んで損はない1冊!2024/10/28
おいしゃん
23
日常生活していて、ほぼ気にも留めない裁判員制度が、急に身近に感じられる体験談集。体験した9割以上が、「やってよかった、またやりたい」と答えているというのは驚き。2024/09/25
あんこ
12
2〜3年前に、裁判所から夫に「裁判員候補者名簿に載せます」という書類が届いた。実際裁判員に選ばれることはなかったけど、他人事だと思ってた裁判員制度がいきなり身近に感じられた。この本でインタビューされている人たちがみんな、裁判員を経験したことを良い経験と捉えているのが印象的。ただ、守秘義務の範囲がしっかり説明されないことが多いようで、滅多にない経験をしたのに人に言えないもやもやに苦しむ人が多いようです。もし自分が選ばれたらしっかり務めたいと思いました。2024/11/16
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