出版社内容情報
内容説明
ショッピングモール「スワン」で無差別銃撃事件が発生した。死傷者40名に迫る大惨事を生き残った高校生のいずみは、同じ事件の被害者で同級生の小梢から、保身のために他人を見捨てたことを暴露される。被害者から一転して非難の的になったいずみのもとに、ある日1通の招待状が届いた。5人の事件関係者が集められた「お茶会」の目的は、残された謎の解明だというが…。文学賞2冠に輝いた、慟哭必至のミステリ。日本推理作家協会賞、吉川英治文学新人賞受賞。
著者等紹介
呉勝浩[ゴカツヒロ]
1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。2015年「道徳の時間」で第61回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。18年に『白い衝動』で第20回大藪春彦賞を、20年に『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞、第73回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
181
★★★★★★★★☆☆ミステリ二冠に輝いた呉勝浩の長編。大型ショッピングモール「スワン」で21名の死者を出す無差別テロが発生する。九死に一生を得ながら世間の批判に晒された高校生・いずみの元に届いたのは、事件の生存者を集めた「お茶会」への招待状だった…。あの日、あの場所で何が起こっていたのか。誰が嘘をつき、何を語らなかったのか。一人の老婆の死の真相を解き明かすために、更に意外な事実が浮かび上がる。その緻密な構成に瞠目した。生存者は幸せを享受してはいけないのか。白鳥の湖の調べに乗せて織り成す、少女の再生の物語。2023/12/27
のり
116
ショッピングモールで起きた無差別殺人・犯人の動機は身勝手なものだった。世間の批判は犯人へと向いたが、やがて生き残った被害者の行動に矛先が変わった。そんな折に関係者5人が集められ、事件での時系列の行動を元に解明を求められるが、それぞれ何か隠している感が漂う。命を落とした者の無念・残された者の悲痛。事件前の心持ちにはもう戻れないが、少しでも日常を取り戻して欲しい。2022/11/09
stobe1904
115
【銃乱射事件後を描くクライムノベル】ショッピングモールのスワンで銃乱射事件が発生した。犯人は自死したが、生存者の一人で高校生のいづみは事件を語らうお茶会に誘われ、足を運ぶが…。銃乱射事件という非条理な状況下で生き延びるために取った行動や隠したことが、明らかになるさまは圧巻。バレエの白鳥の湖になぞらえたような、いづみの事件と向き合い、再生していく姿がとても印象的。重い読後感だが、魂を揺さぶられるような読み応え十分な作品だった。★★★★★2023/12/12
H!deking
102
という訳で、待ちに待った文庫化です。やっぱり期待を裏切らないですね。いや、期待の斜め上からきますね。さすがです。ショッピングモールでおこる無差別大量殺人事件から始まり、犯人グループは自殺。生き残った被害者たち側の目線でその日に何があったのかが明らかになっていきます。リーダビリティは相変わらずですがプロットが最高ですね。モヤモヤして一気読みでした。年ベス入り決定!2022/08/03
あきら
96
一気読み。視点がユニークでした。 世の中に蔓延してる空気を上手く表現していると感じました。 ランボーとも同じか。 人間は隣の生死はあくまで記号なのかも。それに嫌気がさす自分もちょっと嫌になったり。2022/08/16
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