内容説明
子や孫が安心して暮らせる社会をどう残すか。ノーベル賞科学者と被曝問題に取り組む物理学者が示す「人」と「科学」の向き合い方!
目次
1 科学するとはどういうことか(基礎科学の大切さ;科学と基礎科学、学問と哲学 ほか)
2 科学者としての運動(「原子力の平和利用」に期待した;科学をめぐる構造のゆがみ ほか)
3 科学と被曝問題(福島と広島、長崎;事実を追求する科学者へ ほか)
4 沢田昭二さんの問題提起(被曝問題は国際的な課題;被曝影響問題とパグウォッシュ会議 ほか)
著者等紹介
益川敏英[マスカワトシヒデ]
名古屋大学特別教授・素粒子宇宙起源研究機構長、京都大学名誉教授。1940年生まれ。愛知県出身。理論物理学者。素粒子論。名古屋大学大学院理学研究科博士課程修了。京都大学基礎物理学研究所教授などを経て現職。2008年ノーベル物理学賞受賞。9条科学者の会呼びかけ人
沢田昭二[サワダショウジ]
名古屋大学名誉教授。1931年生まれ。広島市出身。中学生の時被爆。理論物理学者。素粒子論。広島大学理学部を経て名古屋大学へ。原水爆禁止日本協議会代表理事。日本での「内部被曝」研究の第一人者。市民と科学者の内部被曝問題研究会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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renren
3
「科学者は研究者として学問を愛するより以前にまず人間として人類を愛さなければいけない」坂田博士の言葉だそうだが、本書では非常に大事な考えとして示されている。世捨て人として山奥で一人で机に向かうならともかく、研究の場である大学も予算も研究過程もその結果も、全て人間社会と相互作用してゆくものだからなあ。特に物理学は核の影響がエネルギー量も放射能の作用も大きすぎるもの。現象を見る、その奥の法則を見る、さらにその奥の「理」を見るという話は非常に興味深かった。研究の「哲学」を喪ってはいけない。2021/09/03
みろり
1
益川先生と沢田先生の対談。科学とは から入り、民主的な教室運営、基礎研究の大切さ、被爆と原発まで。"御用学者"について議論や討論にならないのは、科学者としてどうなのかなと思ってしまう。全体として深く考えるいろいろな指針?が詰まっているのに、最後のまとめが残念。2016/12/06
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