内容説明
廃墟のイメージが“不気味”から“美しい”に変わる廃墟写真集。
目次
1 学校、病院(豪雪地域に佇む苔に覆われた廃校 緑の廃校(東北地方)
肩を寄せ合い学んだだろう小さな分校 D分校(北海道) ほか)
2 遊園地、テーマパーク、レジャー施設(童話の森 G王国(非公開)
五重の塔がそびえる中国風テーマパーク 天華園(北海道) ほか)
3 ホテル、宿泊施設(バブル前夜のロマンティック廃墟 N高原ホテル(広島県)
廃墟が並ぶ温泉街のランドマーク旅館 かっぱ風呂(栃木県) ほか)
4 工場、鉱山(過去と未来をつなぐSF映画のようなインパクト W水力発電所(岩手県)
東北三大に教えられる廃墟鉱山 T鉱山(岩手県) ほか)
5 集落(ヘリコプターで行き来をしていた富豪 ヘリポート廃別荘(近畿地方)
大正期に建てられた和洋接合の別荘 森の廃洋館(近畿地方) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひみこ@絵本とwankoが大好き♪
33
廃墟には暗くて怖いイメージがあるのだけど、美しい廃墟って❔と思いながら読む。 日本とは思えないほどの建前や苔むした学校など、様々な廃墟の写真が美しく感じる。行ってみたいとは思わないが、この場所で楽しげに笑う子どもやカップルの姿が廃墟を通して見えたような気がした。2022/01/30
Ayako
27
ジャンル毎に全国各地の廃墟が紹介されている。美しい写真集で、魅せられた。自然は対極にあるような建造物であっても、人の手を離れるとわずか数年で自然に取り込まれる。自然の偉大さ、神秘性を存分に味わえた。巻末に廃墟探索のガイドがあるが、リスクを考えるとこうして本で楽しむのが一番な気がする。2021/02/03
いぼいのしし
23
光の加減が絶妙。病院のあとは道具がそのままで生々しかった。題名通り美しいものが半分、不気味なものが半分といった感じだった。 2020/05/31
内島菫
22
写り具合がオーソドックスではっきりしており、見やすかった。が、1ヶ所の廃墟につき、もう少しいろんな角度やポイントからの写真が見たいと思った。また、各々の場所に付された解説文も日本語がおかしいところがありちょっと残念。G王国(テーマパーク)の中世ドイツ風の館の内部の廃墟は、恐らく現役の頃より素晴らしいのではないか。変電所や水力発電所、巨大製紙工場の廃墟は、ずらりと並ぶ幾何学的な骨格が剥き出しになり、異空間の美しさをたたえている。2019/05/19
すけまる
16
日本の廃墟を耽美な美しい写真で紹介している。どの廃墟もとても美しく、朽ちていく人工物と生き続ける苔や蔓などの植物の対比が面白い。まるで映画のよう。確実にそこに人の営みがあった残像を感じる。表紙の場所ももちろんすごいなと思ったけど、他ので印象深かったのは、岐阜県の近未来ロープウェイ。2000年に役目を終えたというそのロープウェイは球体で、未来的。それなのに朽ちて廃墟になってるのがなんとも言えない。2000年という数字すら未来に思える。最後に心得として、「安全性に廃墟した靴」とあり、よほど廃墟が好きと見える。2019/11/07