内容説明
私たちが目にしている野菜の姿は、どれも命の途中のほんのひとコマ。植物観察家が“生き物”としての野菜の一生を追った、6年間の記録。
目次
第1章 種を食べるお野菜(ごまのお話;落花生のお話 ほか)
第2章 実を食べるお野菜(なすのお話;きゅうりのお話 ほか)
第3章 葉っぱを食べるお野菜(キャベツのお話;白菜のお話 ほか)
第4章 茎・花を食べるお野菜(アスパラガスのお話;空心菜のお話 ほか)
第5章 地下部分を食べるお野菜(かぶのお話;大根のお話 ほか)
著者等紹介
鈴木純[スズキジュン]
植物観察家。1986年、東京生まれ。東京農業大学で造園学を学んだのち、青年海外協力隊に参加。中国で2年間砂漠緑化活動に従事する。帰国後、仕事と趣味を通じて日本各地に残る自然を訪ね歩き、2018年にフリーの植物ガイドとして独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
51
図書館で、何とも言えぬ優しいタイトルに惹きつけられて。オクラの花が美しすぎて驚いた。著者の植物観察家、鈴木 純さんの野菜に向けるいとおしさを、どのページからも感じる素敵な一冊だった。言葉、文章、写真、いずれも命ある野菜へのオマージュがあふれている! これ、もう少し平易な説明にしてルビを振り、ぜひ子ども向けの本も出してほしい。学校図書館関係の方、一読ください。2022/04/14
けんとまん1007
46
自家菜園で野菜を作っているので、馴染みのものが多い。ただ、自家採種しているのは、ほんの僅かなので、やってみようかな・・と思いつつ読んだ。種蒔き、種芋植え、苗植えの後の様子は、そうそう、そうなんだよね。でも、改めて、種の力というのか、自然の力の凄さを再認識。命をつなぐのは、想像を絶するものだ。それにしても、野菜の花は可憐だなあ~。2021/10/13
R
45
タイトルの通り、野菜を種から育てて次の種をつけるまで追いかけたビジュアルブックでした。一部、種から難しい野菜もいるものの、ほうれん草の雌雄の株を開花姿で撮影とか、マニアックな写真だと個人的にとても楽しめた。接ぎ木していないサツマイモの花も結構レアなので、眼福でありました。改めて花として野菜を見た時に、ブロッコリーは別格に美しいなとつくづく思うのでありました。トウ菜の食べ比べレポートも興味深くてよかった。本にはなかったけど青梗菜が旨いらしいんだよな。2021/11/01
ロア
26
いつも食べてるお野菜を、植物として観察しまくったすごい本!初めて目にする野菜の様々な成長段階の写真は、美しくも衝撃的です(*´ω`*)とにかく写真が沢山あって楽しいし、構成もまるでマンガみたい。久しぶりに一気読みの面白さでした。家にお庭がある人は、一角を家庭菜園にすることを猛烈におすすめ。私の代わりに落花生を育ててください。私も来年はベランダガーデンでイチゴを育ててみようかな。2021/09/13
チャーリブ
23
前作『まちの植物のせかい』と同じく「植物愛」あふれる傑作。植物に関する本はあまたあるが、研究者ないし博識者目線のものが多く(それはそれでよいのだが)、この作者のような「純粋愛」の植物観察記はまれだと思う。今回は、野菜の一生をその種から成長、開花、結実と細やかな写真と解説で説明しているが、ふだん食する野菜でも案外知らないことばかりなのに驚く。たとえば、ナス、キュウリ、ゴーヤーなどは完熟する前の果実を人間が食べているのだが、それらの最終形態である巨大果実を見ると吃驚する。写真を見るだけでも楽しめる。◎2021/09/14