感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちあき120809
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「単一性―単一国家、単一言語、単一民族の『神話』―を重視する日本では、複雑なアイデンティティを考える思考道具を発展させないように、社会の諸制度が機能しているようにも思われる」という筆者の的確な指摘で耳が痛い。つい先日の「2000年の長きにわたり、一つの民族、一つの王朝が続いている国はここしかない」という麻生副総理兼財務相の発言にしても、社会の諸制度を作る立場の人達の思考が垣間見えたようで、悲しい気持ちになる。ところで、本書で紹介されていたイシュトバン・バンニャイ氏の『アザー・サイド』はいつか読んでみたい。2020/01/27