出版社内容情報
日本の英語学諸分野の基礎を築き上げた歴史的名著を集成。 20世紀の日本英語学を展望できる「セレクション」。
●第11巻●文体論 方法と問題 ■山本忠雄[著]昭和15年(1940)賢文社
文学と語学の間に位置する「文体論」が流行した時期に結実した名著。ソシュールやフォスレルの影響を受けた著者は、「ラング」の学問に対し、具体的・個人的な「パロール」を研究することが必要であることを強調した。また、パロールの中心点を、話し手の人格の中に求め、「文学的価値」ではなく、表現された作家の人格に即してこの「パロール」を解釈しようという、独自の言語学的な文体論を築こうとした。本書の中では、英文学と日本の近代文学の作家の文体が観察されている。