内容説明
大和で生まれ、育ち、こよなく奈良を愛した著者絶筆の書が本書である。特に法隆寺は著者にとって特別な聖域であり、聖徳太子没後の1400年忌という記念すべき年に刊行されたことも奇遇である。世界最古の木造建築である法隆寺の再建・非再建論争を一般向けに平易な文章で解説・整理した法隆寺の質の高い入門書である。
目次
第1章 奈良時代の法隆寺(律令制と寺院;「資財帳」にみえる寺地と建造物)
第2章 法隆寺再建・非再建論争(第一期再建・非再建論争;第二期再建・非再建論争;第三期再建・非再建論争)
第3章 建築史からみた再建論・非再建論(法隆寺の解体修理;尺度論による創建説;西院伽藍の解体修理と建築年代)
第4章 考古学からみた再建論(大正十四年からの発掘調査;昭和十四年の若草伽藍発掘調査;昭和の大修理と近年の発掘調査;出土瓦からみた法隆寺の創建)
第5章 現在の法隆寺(現在の寺域と建築;法隆寺の本尊)
著者等紹介
菅谷文則[スガヤフミノリ]
1942年奈良県に生まれる。1963年関西大学文学部研究科修士(日本古代史)修了。1981年北京大学歴史系考古専業研究科修了。1968年奈良県教育委員会技師。1972~1984年飛鳥宮跡・法隆寺境内・大峰山頂などの発掘調査を担当。1995~2007年滋賀県立大学文化学部教授。2007年同大学名誉教授。2009年奈良県立橿原考古学研究所所長に就任。2019年6月18日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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