企業家としての国家―イノベーション力で官は民に劣るという神話

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  • サイズ B6判/ページ数 443p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784840813150
  • NDC分類 333
  • Cコード C0033

内容説明

EUの政策に大きな影響を与えた話題の書。本書はこれまでに9か国語に翻訳され、長期にわたるイノベーション主導の経済成長において国が果たすべき役割と、より包括的な経済成長について、今必要とされる議論を世界中で起こしている。フィナンシャルタイムズ誌とハフィントンポストが選ぶ最高の書。

目次

序説 何か違うことをやる
第1章 危機管理論からイノベーティブな役割分担へ
第2章 テクノロジー、イノベーション、成長
第3章 リスクを取る国家 リスク回避ではなく積極的に挑戦せよ!
第4章 企業家精神に富む国家アメリカ
第5章 国家の力で実現したiPhone
第6章 緑の産業革命 積極策か消極策か
第7章 風力発電と太陽光発電―国家政策の成功例とエネルギー危機における技術開発
第8章 リスクとリターン―腐ったアップルから真の共生型エコシステムへ
第9章 リスクは社会に、報酬は企業に―国はリスクを取ったにもかかわらず利益を享受できないのか?
第10章 結論

著者等紹介

マッツカート,マリアナ[マッツカート,マリアナ] [Mazzucato,Mariana]
1968年生まれ。サセックス大学、科学技術研究部門、イノベーション経済RMフィリップス寄付講座教授。2014年英国『ニューステーツマン』誌の政治経済学の部門でシェフィールド大学政治経済研究所(SPERI)賞を受賞、2013年『ニューリパブリック』誌より「イノベーションにおける最も重要な3人」のうちの一人と称される。世界の政策立案者にイノベーション主導の経済成長を提案し、英国政府経済諮問委員会の委員を務める。世界経済フォーラムのイノベーション経済学のメンバー、欧州委員会の成長のためのイノベーション部門専門グループ永久メンバーである

大村昭人[オオムラアキト]
医師。1967年東京大学医学部卒、1973年米国ワシントン州立大学麻酔科レジデント、1976年米国ユタ州立大学麻酔科講師、1978年同助教授、1986年帝京大学医学部付属溝口病院教授、1996年同副院長、2003年帝京大学医学部長、2007年帝京大学医学部名誉教授、帝京大学医学部付属溝口病院院長補佐(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

107
イノベーションは自由な市場が生み出すという経済自由主義者の主張に水を差す本。面白かった!。ハイエク派のabsintheだが、民より桁の大きな官の投資による民のリスク緩和は賛同できる。最大の自由な市場を持つ米国のイノベーションを下支えしたのは、政府の闘士援助であり、実はその額も世界最大だった。創薬分野において、革新的な薬品はすべて政府投資から生まれており、ベンチャーキャピタルの投資はジェネリック薬品に集中していた。優等生とされるアップルも重要な技術は官が発明したものである。2024/08/22

Willie the Wildcat

47
国家プロジェクト・・・、エネルギー産業から宇宙開発。良く言えば、目先の利益に捕らわれず、私企業が手を出せないエリアでのリスクテイク。但し、1つ間違えば税金の無駄遣い。線引きは、敢えて言うなら”夢”の有無ではなかろうか。本著での様々な事例を読む中で頭に浮かんだのは、スパコンにJAXA。前者は仕事絡み、後者は個人的な興味。異なる意味で一世を風靡した”仕訳”も脳裏をかすめた。資本も突出した”企業家”であり、”起業家”でもあると言える。2016/05/21

壱萬参仟縁

36
2013年初出。国家は勝者を見分ける能力がない(67頁)。ポランニーによると、市場は国家が力づくで作り上げたもの(89頁)。イノベーションは、企業特異性が強く、非常に不確実性が大きい(98頁)。代替資金は、現存セクターへの参入あるいは新しいセクターの創設を試みる知識集約型企業にとって、最重要(119頁)。真の勇気をもった国家は、政府予算を使ってクリーンテクノロジーを真摯に後押して、不能と思える目的達成と資金援助を確約できる国(276頁)。2016/02/24

おさむ

35
先日、NHKでロングインタビューが放送されていた英国の女性教授の著書を斜め読み。民間の努力が評価されるが、実は国家こそがイノベーションの源泉とする主張は面白い。iPhoneの技術の多くは米政府の様々な支援で生まれたとし、温暖化対策でグリーンエコノミーの推進が求められる今こそ国家の存在は欠かせないとする。単なるケインジアンともいえそうだが、コロナ禍での国家の存在感の高まりが追い風になっているのかもしれないな。ただ、日本の「失われた30年」は政府の無能さが一因であることは明らかなので、単純に首肯はできない。2020/11/16

Kentaro

22
国がビジョンを持ち、ダイナミックに、強力にしかし強制的ではない支援や関与をすることで、本来ならば実現し得なかったイノベーションが実現し、民間ビジネスに勇気を与える事ができる。国家を厄介者扱いして「市場の失敗を是正する程度の機能しかない存在」とする従来の見方は誤りである。緑の革命をはじめ、あらゆる技術革命において言えることは、最初に国が大胆な一歩を踏み出し、リスクをとって投資をしていなければ、画期的なイノベーションへの民間の投資は起こらないということだ。そのためには、国が有能な人材を集めることが欠かせない。2019/05/17

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