出版社内容情報
本書は,薬剤経済学をやさしく解説した入門書である。実際に表計算ソフトを用いて,練習できるように例題を配置し,ビジュアルに薬剤経済学を体験し,学習できるように配慮された構成となっているので,これから薬剤経済学をやってみようと思う初心者向けの内容である。
製薬企業にとって薬剤経済学は,重要な戦略ツールのひとつとなってきており,開発意思決定,開発計画立案,価格設定やマーケティングプラン立案など企業活動のさまざまな場面で活用されるようになっている。一方,医療機関においても,経営の合理化への視点から医薬品の採用や使い方に際して,その効率性が求められるようになってきている。そこで,採用しようとする医薬品や使用される医薬品の選定には,価格に見合う製品であるかを合理的に判断できる力が求められており,薬剤経済学への関心が高まりつつある。
本書は,薬剤経済学を基礎から学び,自分で薬剤経済学分析や研究デザインができるようになることを目標としているので,こうした社会的受容に敏感な読者諸兄にぜひともお勧めしたい一冊である。
【編集担当者コメント】
企画提出から足掛け3年という長い年月をかけて編集された本書には,この3年間の編集担当の喜怒哀楽すべてが織り込まれております。坂巻先生より原稿をはじめて頂いたときには,「薬剤経済学って何?」という状態だった編集担当が,編集作業を通して難解な薬剤経済学用語と格闘して,今では何とか薬剤経済学のアウトラインを語ることができるようなった事実からも,本書が初学者に向いているというのは間違いありません。数学嫌いには少し辛い内容かもしれませんが,じっくりと格闘すれば必ず実を結ぶであろう本書をぜひともご一読ください。まずは,書店にてご覧いただければ幸いに存じます。(小林)
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