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内容説明
何処かで鈴の音が聴こえて、ふわりと咲く風になりました。風は真っ白い花をたずさえて、空に浮かびます。真っ白な花だと思われていたそれは、真っ白な少女でした。少女で、そして―死神でした。そのまわりを、黒猫が、ぱたぱたとコウモリのような羽根で飛んでいました。少女はやさしく微笑み、黒猫をそっと抱えて、ラララ、と唄いはじめました。―空には、雨あがりの虹が架かかっていました。これは、白い死神と黒猫の、哀しくてやさしい物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
17
今回は長編+モモとアンの話。長編の方はあたたかくて悲しい優しい死の話で少しずつ死に近づく綾の描写や綾が死んだ後紗耶に綾を重ねてしまう惺と紗耶の気持ちという切なさと詩のような文体が合ってますね。主要人物の心理描写も丁寧でここら辺はページ数使える長編だからこその良さが見えました。もう一つの話でもアンについてが分かったりと物語としてもようやく進展が見えたけど今後どうなるのか。とりあえず分かった事は前2巻のような話よりも今まで通りの感じの方が良いという事と長編もアリってことですね。2014/12/16
KUWAGATA
7
そういや最近、バンドもののラノベとかって、とんと読んだことがないなあ。そういうものめずらしさも、古い物語だからこそ。常に読者に何を求められているかをリサーチしながら生み出されるラノベは、新陳代謝が本当に早い。2016/12/03
くろり - しろくろりちよ
7
この巻は、一冊を通して双子の姉妹のと一人の男の子の物語。「このこどこのこ、このこねこ。」「キミが生まれた夏の終わり。」生きているものは、進まなきゃならないこと。いつまでも、立ち止まってはいられないこと。モモが優しく背中を押してくれる。死神のお話は、今回はアンとニコル「花の戯れ。」アンがモモに拘る理由…やっぱり二人は生きてた時に…?双子の桃花と杏花。読みは同じでも、前と漢字が違う…桃と杏…ふたりは、ずっと一緒にぐるぐる生きてた…?繋がりの深さに、ますます気になる。2012/03/17
凍矢
5
これはぐっと来る作品でした。大事な人との別れというのは、いつでも悲しいです。人生をいきる度日に、そう思います。あの絶望感は、2度と体験したくないと。だからこそ、生きなくちゃ駄目なんですよ。光はいつか明けます、必ず。2013/12/14
ムラサキ
5
3人だったからこそ変わらずにあった。……とりあえず、今回は安心して読めた。6巻は何だったんだ……。ラストでようやくモモとアンの関係性の核心に近づく感じ。2011/02/03