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内容説明
いつの時代も、変化している。私たちはいつも、今は大変な時代だと思っている。では、人類史という長い目で見たら、今はどういう時代なのか。私たちが体験しているこの変化は、たとえば中世から近代への移行に相当するような大きなものなのか。それともよくある変化にすぎないのか。どうやったらそのことを知ることができるのか。気鋭の科学史家が、科学から歴史まで、文理の垣根を越えて飛びまわる愉快な知的冒険の書!
目次
序
子の巻 節目としての暦
丑の巻 リスク社会の占い
寅の巻 時代の節目としてのオリンピック
卯の巻 プロフェシーとプロジェクト
辰の巻 科学と宗教の間
巳の巻 やっぱり予知はできないのか?
午の巻 科学をどうマネジメントするか
未の巻 関東大震災は予知できたのか
申の巻 芸術は文明を先駆ける
酉の巻 科学を推進するエンジン
戌の巻 歴史とは何だ?
亥の巻 世界を支配する「べき乗則」
陰の巻 時代と身体
陽の巻 時代とは何なのか
あとがき
主要参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たくのみ
11
節目を探り出す中で、知的な探求が始まる。何かが終わり、何かが始まるときの境界はどこ?周期ってどうしておきる?エポックとなる事件や事象の捜査を開始する「探偵」神里先生。フーリエの級数展開、STAP細胞問題を語る長屋の熊さん八ツあん、冥王星をめぐりおこる不思議なアメリカの政治運動。「世間胸算用」は格差社会を描いた経済小説。古今東西にわたる博物学的興味と古典への造詣の深さは、知性の大風呂敷。頭によく効く「読む」栄養ドリンクなのでした。2015/06/05
おおにし
10
文明探偵というタイトルに惹かれて読んでみた。文明探偵がこの時代が特別な「時代の節目」なのかどうかを、モノとコトバの世界を冒険しながら探るという話なのだが、結局解決しないまま冒険は終わってしまった。結論として今、世界はかなり長い周期の節目の「寸前」にいるのではないかと文明探偵は感じているようだが、その根拠ははっきりと示されていない。文明探偵は近代が終わろうとしている兆しを直観しているようだが、これには私も同感。2016/08/23
もりおか
2
時代の節目とはなにか、節目があるとするならば今は節目か、という非常にスリリングな問いを立てている。日本だけで見れば平成が終わろうとしているという意味では節目だし、でも何も変わらないだろうという思いもある。この永遠に続きそうな連続の日々と非連続の繋ぎ目はどこにあるのか。目に見えないものであるからこそノストラダムスやマヤ文明の暦が流行り、無理やり可視化しようと人々は足掻いたのかもしれない…。 私個人のイメージとしては時代の節目とは、なんとなくNHKスペシャルの「映像の世紀」のようなものを想像してしまう。2018/02/25
au-lab
2
タイトルは軽いノリだが、かなりわかりやすくしっかりとした科学技術社会論。震災やSTAP細胞を例に出しながら、今という時代が節目と呼べるのかどうかを問う。すぐに読めるが、込められた示唆は深い。2016/10/03
wang
1
とにかく冗長。だらだら修飾が多く、同じ内容を何度も何度も述べる。何を言いたいのかさっぱりわからず、テーマがぼけぼけ。色々な内容が雑多に述べられているので、読者が表題に合わせて勝手に想像して、勝手に結論づければいいとでも考えているのだろうか。今が時代の節目というのは、誰でも自分たちの生きている時代が特別だと思いたい主人公願望に過ぎない。自分の都合のいいテーマばかり集めて、長々何か内容があるように書かれているが、どれもピンと来なかった。2020/01/26