マンガ狂につける薬 二天一流篇

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784840135962
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0095

内容説明

『デトロイト・メタル・シティ』と『ドグラ・マグラ』をあわせて読めば社会が引きこした矛盾が浮び上がり、『やる気まんまん』と『好色一代男』から艶話という大衆娯楽の形が見えてくる。雑誌『ダ・ヴィンチ』の長寿連載『マンガ狂につける薬』の単行本、第四弾。評論家・呉智英がつなぐ、マンガと活字の懸け橋。

目次

日本人の心に滲みる無常観―『無頼侍』鈴木マサカズ・『大菩薩峠』中里介山
中学生の切実な好奇心―『昭和の中坊 さくらんぼフレンズ』末田雄一郎/原作、吉本浩二/作画・『性の用語集』井上章一&関西性欲研究会
プロ魂の権化、娯楽の王道―『愛蔵版女帝』倉科遼/原作、和気一作/劇画・『ああ玉杯に花うけて』佐藤紅緑
濃くて熱い最凶の物語―『真説ザ・ワールド・イズ・マイン』新井英樹・『排蘆小船・石上私淑言』本居宣長/著、子安宣邦/校注
体験してわかる獄中の不条理―『獄窓記』『累犯障害者』山本譲司・『刑務所の中』花輪和一
動物を殺す根本的罪悪―『世界屠畜紀行』内澤旬子・『2匹は訴える』旭丘光志
怨念と善意が生んだ偽書―『偽書「東日流外三郡誌」事件』斉藤光政・『石神伝説』とり・みき
虚栄の市の記録と論理―『気まぐれコンセプトクロニクル』ホイチョイ・プロダクションズ・『恋愛と贅沢と資本主義』ヴェルナー・ゾンバルト/著、金森誠也/訳
時代の不安と不条理な変身―『ライフ・イズ・デッド』古泉智浩・『変身』カフカ/著、高橋義孝/訳
実作家のマンガ論、小説論―『サルまん サルでも描けるまんが教室21世紀愛蔵版』相原コージ、竹熊健太郎・『小説とは何か』三島由紀夫〔ほか〕

著者等紹介

呉智英[クレトモフサ]
1946年、愛知県生まれ。評論家。京都精華大学客員教授。早稲田大学法学部を卒業後、コンピューター会社勤務などを経て文筆家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

古古古古古米そっくりおじさん・寺

39
呉智英による『ダ・ヴィンチ』連載の漫画本と活字本を同時紹介する好企画を纏めたもの。ブックガイド兼論考。連載時に読んだものも多かったが、改めて読むとまた面白い。【以下雑感】倉科遼と司敬が同一人物だとは知らなかった。中野豪の挿絵は私も好きである(亡くなられたんだなぁ)。旭丘光志って漫画家を辞めてジャーナリストになったのか。内澤旬子『世界屠畜紀行』、北村薫『詩歌の待ち伏せ』、三島由紀夫『小説とは何か』栗原裕一郎『<盗作>の文学史』は読んでみたい。「教育は必要悪」という意見にはなるほどと思った。2015/05/18

がんぞ

5
日本語は構造的にマンガに向いているという説もある/漫画文化は、コンビニ本や電子書籍で過去の名作が再販されたことでサブ→メインの地位を得た。旧アナログ文芸書と1,2桁違う実売力を誇るコミックは、将来の有権者納税者を感化し時代思潮を担う/ダ・ヴィンチ誌に06〜10年連載された頃には、スマホやタブレットは普及いまだで電子書籍の割合は些少で、本書にも「名作だが入手しにくい」などの記述がある/電子ならば少数需要もカバーされ、品切れもない(回し読みもしにくい)創作状況好転しかし小学生の将来の希望の一位はユーチューバー2022/01/02

うえ

5
「幸か不幸か『ザ・ワールドイズマイン』は連載中に有害マンガ指定にならなかった…良識家は,必ず,表現の自由,思想・芸術の自由,それらを含む人権や民主主義の重要性を強調する。まことに愚かなことだ。そんなものは単なる法律論,制度論にすぎない…問われるべきは,文学やマンガなどの芸術・文化と社会との関係そのものなのである」良識家たちが引用しない思想家がいる。本居宣長だ「歌の本体,政治をたすくるためにもあらず。身をおさむる為にもあらず」結果的にそうなるものもある,が「又国家の害ともなるべし。身のわざはいともなるべし」2014/09/25

yumiha

4
中学校の本好きの先生から勧められて読んだ。マンガと活字をクロスオーバーをさせながら、ポストモダン、盗作、私小説など、文学における今日的課題に言及している。その課題をもう少し突き詰めて評論を展開してほしいのに、なんかサワリだけで終ってしまい、まるでブックトークを聞かされる消化不良の気分にさせられた。つまり、気になった本は、自分で読みなさい!ちゅうことかいのう?2011/10/24

kokada_jnet

4
面白い指摘はいくつかあるが。どうもこのシリーズはそろそろ限界というか・・。呉智英流の「知的ハッタリ」が裏目に出ている。「言葉狩りと戦う」ための作為的な文章で悪文多々だし。「漫画と活字本のコラボ」もあまり成功していない。2011/01/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1450377
  • ご注意事項

最近チェックした商品