出版社内容情報
将棋というゲームでは、対局者が強くなるほど指し手に一貫性が出て、ストーリー性のある棋譜ができあがります。
逆に初級者は、棋譜の背景にある物語をつかむことができず、ちぐはぐな手を選んでしまいがちです。
本書では「玉と大駒の配置」という観点から盤上の戦況をとらえる方法論を示します。
「いま、何が起きているのか?」が分かれば、おのずと「次に何を指せばいいのか?」ということが分かるようになるのです。
――もちろん、計算や読みの深さも大切です。しかし、それだけに振り回されず、盤全体の展開を見通し、終盤から逆算して考えることが、最終的に大きな充実感につながるのです。(まえがきより)
内容説明
盤上には「物語」がある!深い読みに頼らずとも、自然と「筋のよい手」が見えてくる。
目次
第1章 玉の位置
第2章 囲いの条件と弱点
第3章 大駒の働き
第4章 玉の位置と戦略
第5章 プラン立て
第6章 風刺対局
著者等紹介
横山友紀[ヨコヤマトモキ]
2000年生まれ。兵庫県加古川市出身。2012年、6級で奨励会入会。井上慶太九段門下。2021年、四段。若手振り飛車党のひとりとして注目を集める。四間飛車や角交換振り飛車を得意とし、本筋の手を積み重ねていく棋風(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinaba
1
☆ 横山先生のこの味のある文体はやはり癖になる。一手一手、もしかしたら言い切りすぎなところもあるのかもしれないけれど、狙いと良し悪しをハッキリ断言してくれるのはとてもよい。同じ駒を動かしすぎるなとか、わかりやすい規範の提示もよい。2025/09/09
はしりがけmal
0
級位者向け。解説の分かりやすさ、問題選択も良い按配、そして何より1手ずつ解説の文章にちょいちょい味がある。著者の他の本などは知らないため判断できないが、持ち味なのか遊びなのか、個人的には退屈しなくて好印象。 イチオシはp.126「この角は、自信をなくして自陣の奥にうずくまっている。けれど私たちは盤上のカウンセラー。駒の悩みや不安に寄り添い、助け船を出すことが仕事だ。」表現としてはもっとふるってるのもぽんぽんあったように思うが、これは教訓にもしやすかろう(笑)2025/08/22