内容説明
「裸になってベッドにはいると、赤頭巾ちゃんは狼に食べられたきり誰にも助けてもらえないのでした、とさ」―世界初の童話、それはグリム兄弟より100年も前に、17世紀フランスのパリで産声をあげた。作者は宮廷作家シャルル・ペロー。一見、子供相手に見せかけた、ほんとうは凄く怖い話を聞くことが、太陽王時代のヴェルサイユの貴婦人たちの間で大はやり。そこでペローは「赤頭巾ちゃん」「シンデレラ」「眠れる森の美女」など、庶民に語り継がれていた、冷血で残忍なおとぎ話や民話をまとめ本にした。それが「ペローの昔話」。童話誕生の裏に、女たちの好奇心…ああ、ほんとうに恐ろしや。
目次
1 ペロー残酷童話集(眠れる森の美女―姑の嫁いびり;親指太郎―幼児虐待;赤頭巾ちゃん―少女殺し ほか)
2 童話の中の秘密の傷(トラウマ)(童話のエロティシズム;処女の哲学;胎内回帰願望について ほか)
3 血も凍る青髯伝説(幼児殺戮者)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
♪mi★ki♪
29
ペローの代表的な童話、眠れる森の美女、親指太郎、赤頭巾、青髭を澁澤龍彦が翻訳し、とりとめない性的な解釈薀蓄を書き連ねた本。と書くと、身も蓋もないけど、そういう本。(^^;)しまいにはパチンコやスロットマシーンですら性行為に結びつける始末。青髭伝説の元になったジルドレエの章は面白かった。しかしイカれてるのは澁澤君のみならず、挿絵。赤頭巾ちゃんが、全裸に頭巾だけ被って籠持って森の中歩いてるってどうなのよ?(u_u)2017/01/08
中禅寺 桜子
13
童話は前回の長靴をはいた~で既読のため、後半から読みました。 童話の奥深さや、解釈の仕方、心理学による解明・・・・。 面白かったです。まあいつの時代も、どんな学問も人はエロティックとグロテスク無しでは語れないようです。 そういう私もこの二つを感じらない文章は好みでは無いわけですが^^; とにかく、この本のお蔭で色々と読みたい本が増えました。2014/09/08
ぼんくら
6
グリムの類話と比較するため。挿絵は片山健。前半がペローの昔話、後半が澁澤の評論〈Ⅰ童話の中のトラウマ〉、〈Ⅱ血も凍る青髭伝説〉。澁澤さんだから、どうしてもエロティシズムにいきますね。2012/12/22
きしな
5
物語は作者が何かしら込めた主張やらが何かを考えたくなるものなんですが…この作者は最後に教訓として締めくくるので、何だかクイズの出題をしておきながらすぐ答えを言われたような…。読み聞かせられると納得する感じがあります。グリムで既読な物語が多く、頭の中で比較しながら楽しみました。青髭は怖いと聞いたことがあり覚悟して読んだのですが拍子抜け。挿絵の方が怖いわ!…と思ってたら解説で事実を元にって…。けれど信心深い人物で、私としては無神論者の犯罪者の方が怖いような…やはり結局怖かったです「青髭」。2015/09/10
ゆぽんぬ
4
眠れる森の美女 姑の嫁いびり 親指太郎 幼児虐待 赤頭巾ちゃん 少女殺し 青髭 夫による妻への虐待 童話のエロティシズム2020/08/22




