内容説明
本書は、ロンドンの多人種問題についての深層心理が一冊にまとめられた今までに類を見ないものであり、日本、中国、ハワイなどに関する短篇を厳選した。八篇に通底する見地として「魂の叫び」があり、価値観の違いによる誤解や争いに悩む世界じゅうの人々への強烈なメッセージを内包している。
著者等紹介
辻井栄滋[ツジイエイジ]
1944年、京都府生まれ。1986年1月、「ジャック・ロンドン・マン・オブ・ザ・イヤー賞」(1985年度)受賞。2004年5月、文学博士(Doctor of Humane Letters)。著・訳書多数。現在、立命館大学名誉教授・特任教授、同志社大学および佛教大学講師。日本ジャック・ロンドン協会名誉会長。ジャック・ロンドン財団顧問(カリフォルニア州)
芳川敏博[ヨシカワトシヒロ]
1949年、京都府生まれ。元京都府立・元神奈川県立高等学校教諭。現在、日本ジャック・ロンドン協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がんぞ
4
1895年、アザラシ狩り船員として小笠原諸島に寄港し、自然の美しさと外国船の頻繁な到来で急速に世知辛くなる島民を記憶/本州では人力車車夫の人情に触れた/1904年、新聞社の依頼で日露戦争観戦に出向いた時には中国人差別を見たようだがアジア唯一の文明開化は評価/米国による19世紀後半ハワイ属領化のストーリーズ/砂糖と綿花のプランテーションや牧場が作られ、島民は重労働を好まなかったのでChino労働者が導入され、彼らが伝染病を持ち込んだこともあって原住民人口は激減した/ハンセン病隔離は顕微鏡医学により西欧が先導2022/02/20
Y.Yokota
1
まだ10代の頃に小笠原諸島を訪れているジャック・ロンドン。これは彼が訪れた日本・中国・ハワイについての短編集。ロンドンが人種主義のような目で見られるのは、こういう話を書いた時、誰にも味方しないような書き方をするからだと思う。ただしそれは外国人などに限らず、編集者相手とか誰に対しても向けられている。個人として考えたことを重要視して生きたのだ、と彼の作品を読んでよく感じる。2022/03/25
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