出版社内容情報
アフターコロナにおくる、五木流「捨てない生きかた」の極意!
内容説明
捨てなくていい―何年も着ていない服、古い靴や鞄、本、小物…愛着ある「ガラクタ」は人生の宝物である。後半生の生活を豊かにするヒント。
目次
第1章 モノやヒトとの距離感
第2章 人生百年時代は「ガラクタ」とともに生きる
第3章 私流・捨てない生活
第4章 捨てることの難しさ
第5章 失われつつある、町の記憶
第6章 この国が捨ててきたもの
著者等紹介
五木寛之[イツキヒロユキ]
1932年福岡県生まれ。朝鮮半島で幼少期を送り、47年引き揚げ。52年早稲田大学ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、ルポライターを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門 筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、英文版『TARIKI』は2001年度「BOOK OF THE YEAR」(スピリチュアル部門)に選ばれた。02年に菊池寛賞、09年にNHK放送文化賞、10年『親鸞』で第64回毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
涼
89
本書にある『しかし、考えかたによっては、逆に〈捨てる〉ということに執着している生きかたと言えるかもしれません。』という言葉に納得してしまいます。2022/04/29
あすなろ
87
五木寛之先生の書き下ろし新刊であれば読まずにはおれぬと購入。コロナ禍やサスティナブル提唱の世の中、併せて各人の孤独化も進む中、先生が導き出したのは断捨離だとか終活だとか捨てる事の提唱ではなく、その逆張りの残す事への提唱であった。曰く孤独を癒す一つのよすが・縁として物に囲まれて暮らすという事だという提唱である。それに従い、往年のラジオ番組である五木寛之の夜の様に実に様々な先生らしいエッセイが展開される。僕にしてみれば、現代人にとって寒い週末の早朝や夜中に読み耽るには最適な一冊だと今回も思わされたのであった。2022/02/06
yomineko@ヴィタリにゃん
76
読み友様からのご紹介本です📚戦中戦後捨てるどころか何かないかと拾い歩いていたという著者。こんな時代に育つと物を非常に大切にするのは当たり前になるかと思うが、昨今は断捨離&お片付けブーム。ロシアには古い建物が保存されていてヨーロッパは大体どこもそうだが、日本はすぐに壊して建て直しモダンな見た目にする。耐震基準問題もあると思うが勿体ない。民衆は歴史から取り残され英雄だけが歴史書に残る。記録だけではなく人々が生きた記憶を保存しなければならない。先生、バルセロナはバルセロナ語じゃなくてカタルーニャ語です😊2023/07/11
けいぴ
44
モノと過ごす回想の時間を楽しむ。←手がかりのないところで回想の引き出しをあけるのは簡単なことでない。モノが身の回りにあることで、モノから記憶が引き出されりようになる。認知症の治療にも「回想療法」が有効かもしれないと言われている。なるほど。2023/01/04
FOTD
31
断捨離が流行っているが捨てなくても良いんだ、という本。「モノと過ごす、回想の時間を楽しむ」の章がグッと来た。認知症のご老人に「これ、昔あなたからいただいたプレゼントなんですけど」とあるモノを見せたことがあった。そうしたら、昔のことを断片的に思い出して話してくれたことがあった。モノがなければ、そのときに思い出してもらえなかっただろう。思い出を振り返ることで、感動した気持ちを抱いて、元気に生き生きと老いていって欲しい。この本にはモノだけではなく、時代の記憶や地方の文学賞、方言まで登場する。捨てなくて良い。2023/07/07