内容説明
「安全のために、私たちはあなたの目をつぶして私の耳の中を焼くことに合意した」幻想的な愛の小説集。全七篇を収録したレベッカ・ブラウンの最高傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らじとり
8
表題作含め三編ほど読んで挫折。悪くない、はずなんだけど文体がなぜか合わなかった。この合わなさは筆者がレズビアンであり、各話レズビアンカップルの話であることとも関連してそうな気がするのだけど上手く分析できない。単純に男である自分が作品世界から排除されてる気分になるからなのかな?あるいは、思い切り突き放すか、あるいは世界にギリギリまで肉薄してその向こうを見ようとする強い意志、ヒリヒリするような強度が文章から感じられないから、なのかも。2016/09/04
テツ
2
同著者の自伝的なエッセイ集『若かった日々』を読んで気に入ったので他の作品も読んでみようかと。『よき友』が素晴らしい。レベッカ・ブラウン自身もパートナーが女性であるせいもあってか、同性愛者の考え、お互いの関係がとても深く(ドロドロしながら)描かれている。きっと愛情には性別は関係ないのだろうけれど、社会生活を営む我々はやっぱり社会からの視線も考えなくてはいけないし、それと戦わなければならないわけで。愛はシンプルな物だけれど現実はなかなか難しい。彼女の文章も柴田元幸の訳も素晴らしいので、他作品も読んでみたい。2013/09/18
sanukinoasayan
1
本作の作者は一応レズビアン作家ということらしく、前読の「体の贈り物」ではエイズで死に向かう人々と彼らを介護するホームケア・ワーカーとのその日常交流と非情な現実を、感傷を排した簡潔な表現で描いた連作短編でしたが、本作では一転敢えて性別不明なものを含む恋人たちの非日常的、幻想的ともとれる愛の世界を緻密な表現で描いており、この作家の幅の広さを窺い知ることができる。2023/04/14
きうりっち
1
「体の贈り物」には単純に感動したけどこの作品はどうにも読みにくくてつらかった。寓話と考えればいいのだろうか。これは好きじゃ無かった。2022/01/31
ni-ni-
1
レズビアンが出てくる(またはそれらしき関係)の短編もちらほらあって楽しめたが、なんだかずっしりくる一冊だった。正直、結構重い内容。引っ込み思案なレズビアンの主人公と、闘病生活をおくるゲイの親友との関係を描いた「よき友」は、うるっときた。個人的には、ドクターとのその後の関係が気になったり。2012/08/10