文春文庫<br> 幻影の星

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文春文庫
幻影の星

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  • サイズ 文庫判/ページ数 282p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167901790
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

見つかるはずのない場所で見つかった「ぼくのコート」の謎を追う武夫は、やがてこの世界の秘密に触れる。3・11後の新境地!

3・11が生み出した「傑作」

見つかるはずのない場所で見つかった「ぼくのコート」の謎を追う武夫は、やがてこの世界の秘密に触れる。「白石文学」の新境地!

内容説明

熊沢武夫が東京で買ったネーム入りのコートが、故郷・長崎で発見された。だが武夫の部屋のクローゼットには、新品のコートがかかったまま。なぜ、全く同じコートがこの世に二つ存在するのか?謎を追いかける武夫の前に、ある女性の存在が浮かび上がる。3・11後の世界を舞台に、生きることの実相を描く。

著者等紹介

白石一文[シライシカズフミ]
1958年福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て、2000年に『一瞬の光』で小説家としてデビュー。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で、第22回山本周五郎賞、10年『ほかならぬ人へ』で第142回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

51
生と死の物語と捉えれば良いのでしょうか。生きることの実相と死の重さ。3.11の後の物語。一期一会が人生なのかもしれません。2022/05/22

ワニニ

47
白石さんを読むと、しばらくあれこれ考えてしまう。読んでいる時は、まやかしのような独特の論理に納得し、読後「でも…」「そうかも…」を繰り返す。とっても好きだけれど、甘美な妄想、インテリロマンチストの屁理屈にも思える。ここに描かれるストーリー風なものは、災厄・時間・生と死・人生等を定義していく為、散りばめられたピースなのであり、物語としては肩すかし感。この世で起こった全ては必然、イリュージョン、レプリカ説、感覚的にはかなり心に響くが、自分の内でジグソーパズルの完成は見られなかった。本当は死がとっても怖いのか?2014/10/21

きつねこ

31
白石さん二冊目。読み始めと読み終わってからの印象が大きく異なりました。SFかファンタジーかホラーかどう進むのかワクワクして読み始めましたが、最後はわたし、哲学の人になりました。途中からこれはエッセイだったかと思えるくらい長い独考部分、面白かった。生と死と時間の流れ。刹那的なイリュージョンという考え方。水の繋がり。天災が異様に多い昨今だから余計に心に刺さるのかも知れません。ただ、、、悲しいことに、私の中では物語としての収拾がつきません。。。2014/09/17

Yunemo

29
「うーん」と唸って本を閉じました。白石世界観についていけない自分がいます。特に前半とラストの部分。どうすれば、このような感情になるの?自分の立ち位置がどこなのか解らなくなります。キーワードは、「イリュージョン」、「レプリカ」、「時間軸」等々。中段で、「経験とはすべてレプリカ」、「生存とは死とのあくなき戦い」、或いは「時間を取り除いて考えることの不慣れ」、これらの表現に解りかけてきたはずが、ラストになって理解の域を超えました。でも、結局のところ、3.11後の人間の生き方そのものを表現。これが自身の理解です。2014/09/23

チャーミー

28
武夫が東京で買ったコートが故郷の長崎で発見された。ポケットのSDカードには知らない女性の未来の写真があった。ゾウとネズミの時間軸の引用や地球規模の災害についての長尺の目で見る考察は考えさせられた。過去、現在、未来という概念は人間だけが持つ思考と考えると同じコートが2着あるのはレプリカで時空を越えて存在してもおかしくないのでは。それこそ今われわれが見ているものはすべて過去で幻影なのかもしれない。白石さんらしく主題は哲学的でビジネスシーンも盛り込まれ嫌いではないが考えがまとまらず放置された感は否めない。2019/06/04

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