内容説明
著者の半生を賭けた紫式部研究の全貌なる。2024年、満を持して主要学説を網羅的に検証した「諸説総覧」を収録。『源氏物語』出家作法の思想史、宇治十帖の暦象想像力などを文理融合の分析方法で検証した一書。
目次
第1部 諸説総覧 紫式部伝
第2部 紫式部伝 論攷編1(ある紫式部伝―本名・藤原香子説再評価のために;宇治十帖と作者・紫式部―「出家作法」揺籃期の精神史;紫式部の生涯―『紫式部日記』『紫式部集』との関わりにおいて;「藤式部」亡き桃花の宴―西本願寺本兼盛集附載逸名歌集注解攷;『紫式部日記絵詞』人物注記の方法―日記承継者は幼少女性親族か;『源氏物語』の作者・紫式部の楽才)
第3部 『源氏物語』と暦象想像力 論攷編2(「入る日を返す撥こそありけれ」―徳川本『源氏物語絵巻』「橋姫」巻瞥見;中世源氏学の「准用」を疑う;「ついたちごろのゆふづくよ」の詩学―桃園文庫本「浮舟」巻別註と木下宗連書入本)
附篇(紫式部と清少納言、道綱母の家;『源氏物語』ふたつの閏月;望月の歌と紫式部;黒川本『紫日記」の本校訂史;定家本「若紫」出現と誤伝の弊害;結核文学の系譜―堀辰雄『伊勢物語など』と池田亀鑑、そして紫の上;『夢の通ひ路物語』散逸部断簡の出現)
著者等紹介
上原作和[ウエハラサクカズ]
長野県佐久市生まれ。大東文化大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学―名古屋大学)。現在、桃源文庫理事。明治大学法学部兼任講師。主な研究テーマ:文献史学、日本琴學史、物語文学。創設40周年記念中古文学会賞、第2回全国大学国語国文学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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