内容説明
天台宗の恵心流と檀那流が継承した、口伝や物語の分析により諸相を実証的に解明。また、鎌倉時代中期から南北朝時代の『法花経』における往生説話の製作、安居院流僧の唱導を明らかにする。
目次
第1部 天台宗恵檀両流の僧と唱導(慈童説話の成立―恵心流俊範の口伝;寛印一家の説話―恵心流静明一門がめざしたこと;法花深義説話の発生と伝授―恵心流俊範と静明の説話;安居院の主張「車中の口決」「官兵の右手」と背景―恵心流に対する意識;毘沙門堂と『平家物語』―『文句私物』『草木成仏相伝』から;称名寺に伝わった『平家物語』周辺資料―『法華懺法聞書』『頌疏文集見聞』;西教寺正教蔵『授記品談義抄』紹介―『轍塵抄』の影響など)
第2部 『法花経』による往生説話(南北朝期の『法花経』による往生説話―日光天海蔵『見聞随身鈔』所引『法花伝』「或記」を中心に;南北朝期の『日本法花験記』―日光天海蔵『見聞随身鈔』所引説話を中心に;『法花経』利益説話から往生説話へ―安居院流の唱導)
第3部 西教寺正教蔵本の特徴(西教寺正教蔵本の表紙裏断簡―『清原宣賢式目抄』『鍾馗』『六百番歌合』「平家高野」;芦浦観音寺の舜興蔵書―表紙屋の装丁と奥書に見る蔵書の特徴)
翻刻資料
著者等紹介
松田宣史[マツダノブミ]
1954年京都府出身。2002年國學院大学より学位、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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