視覚文化「超」講義

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視覚文化「超」講義

  • 著者名:石岡良治【著】
  • 価格 ¥2,099(本体¥1,909)
  • フィルムアート社(2019/09発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 570pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784845914302

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内容説明

映画、ゲーム、アニメ、PV、アート、CG、マンガ……
本書が初の著書となる石岡良治がその博覧強記ぶりを存分に発揮し、ハイカルチャー/ポップカルチャーの枠組みを超えて視覚文化を語る!

写真や映画の発明とともに大きく変貌した近代から、デジタル画像や動画に至るまで様々な「視覚イメージの記録可能性」が増大し続けている。制作や操作も身近になって、視覚文化そのものが大きな変貌を遂げている。本書は、ありえないほど情報過多な現代の状況を踏まえ、個別領域の知の体系的な密度より、時代と対象領域の広がりと歴史性を重視し、分野間の横断性を強く意識した構成となっている。消費社会における様々な「カルチャー」としての視覚文化を分析することを目指すため「視覚文化」をあえて輪郭を曖昧にすることで考察しようとする。

現代の視覚文化を捉えるには、複数の速度、複数の歴史を「アクセルとブレーキ」ではなく「ギアチェンジ」していくモデルが求められるのではないか、と石岡は言う。わたしたちは消費ではないかたちで視覚文化とつき合うことは可能だろうか。文化のめまぐるしい速度変化にどのように対応すればよいのか?

動画以降の世紀を生きるための、ポピュラー文化のタイム・トラベル。石岡の圧倒的な知識を支える巻末の参考文献リストも圧巻!

「文化の民主化」が徹底されつつある今、まさに必読の書が現れた。
── 國分功一郎(巻末特別対談より)

伝説の男が、「日本最強の自宅警備員」と呼ばれるあの男がついにその重い腰を上げた……!
本書をもって世界は知ることになるだろう、本物の知性と本物の情熱の存在を。そして、石岡良治氏だけが両者をあわせもつことを。
── 宇野常寛

万事に賛否両方の論を用意して丁寧に論じていく、多分著者の身についたバランス感覚で、知らない人間を置き去りに自分の好みばかりに熱中して語る「サブカル」論者に通有の一人よがりとは無縁。さわやかだ。
── 高山宏

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

20
申し訳ないが、最初のハイカルチャーと大衆文化の違い、最後の対談のラスキンとモリスの部分(290頁)ぐらいしかついていけない。わかる部分の多い人には楽しいと思うが、わたしみたいな門外漢だとその楽しい世界に入れなかった。規制群がハイカルチャーとポピュラー文化の違いという(033頁)。2014/11/12

しゅん

17
既存の視覚文化論を「超」えようとする志の高さを感じる。釣り、オカルト、ミリタリーといったアカデミズムと相性の悪いホビーを文化的に考察したかと思えば、メロドラマとPVを物語性/視覚性の軸において「フェイク」の両極として位置づける。メカスからあまちゃんまで、大変に視野が広く、掘り甲斐のあるテーマがたくさん転がっている。ノスタルジアを「人工的な消費文化」として位置づける論は特に鋭く、興味深かった。ジョン・ハサウェイのアートワークが内容と完璧に一致していて、装幀も素晴らしい一冊。本全体のクオリティが高い。2018/01/04

サイバーパンツ

15
情報過多の時代では、加速していく情報を追い切れなくなると減速しがちだけど、そうではなく対象によってスピードを変えていくことで、ハイカルチャーからポピュラーカルチャーまで多種多様な視覚イメージを捉え直そうという感じ。著者は以前的な教養主義の限界を受け入れながら、より広範に通用する多層的な教養を再編しようとしており、スケールが大き過ぎることを置いておけば、それは真摯な態度であると思う。著者の問題意識を断片的に漠然としたまま見せられた感があったので難解だったが、示唆に富むところは多かった。良書。2017/11/12

鳩羽

11
少し古い文化がノスタルジアによって「良い」ものに見えることや、アートとエンタメの対立軸にホビーという視点が大きな存在を示すようになったこと、ファンコミュニティが情報の整理や統合をする機能を持つようになったこと。これらのことから、いまや教養主義は成り立たなくなり、作品もアーティストも受容する側も並列に置かれるようになった。情報過多に陥っても、ネットやSNSを断つのではなく、それぞれに対応する速度を切り替えることが重要とする。どんな文化も、どの時代からも評価されうる環境は魅力的に思える。2014/08/19

Ecriture

11
絵画・映画・漫画・アニメ・ニコニコ動画・ゲーム・タブレット、視覚文化何でもありの超講義。これぞ大学の先生という目くるめく情報量と情報過多に対する切断。まずもって文化とは何かから懇切丁寧に解説が施され、50年代、80年代、21世紀という歴史をおさえつつノスタルジーやガジェットをキーワードに展開される『バック・トゥ・ザ・フューチャー』論が面白い。巻末には國分功一郎との対談も収録。作品を鑑賞する速度を複数化せよという議論は倍速で撮りだめした番組を消化する現在の消費者(鑑賞者)にふさわしい内容。2014/07/06

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