内容説明
仁政の世に生じている様々なほころびに作家ならではの方法で対峙しようと試みる作家西鶴のまなざしの先にあったものは…
目次
伴山と芭蕉の旅路―元禄期の「国家」のありさま
第1部 「仁政」の闇を読み解く(『本朝二十不孝』が描いた闇―諸国巡見使と孝子説話;為政者が「孝」を詮議する時―『本朝二十不孝』巻四の四における不孝;長男を圧殺した「孝」―『本朝二十不孝』巻二の四に描かれた「家」;怪異に興じる「世の人心」―『懐硯』巻一の一「二王門の綱」に描かれた鬼;詐欺僧と国の守の対決―『懐硯』巻四の五「見て変える地獄極楽」の素材と伴山;共鳴しあう当代説話―伴山の存在と『懐硯』の世界)
第2部 西鶴の「はなし」とその方法(『暗夜行路』を出発点として―近現代における『本朝二十不孝』の読み(一)
『本朝二十不孝』は「戯作」なのか―近現代における『本朝二十不孝』の読み(二)
ポリフォニックな「はなし」の世界―近現代における『本朝二十不孝』の読み(三)
リアリティと「西鶴らしさ」―近現代における『懐硯』の読み(一)
伴山と西鶴の距離―近現代における『懐硯』の読み(二)
伴山という方法―近現代における『懐硯』の読み(三))
「仁政」の闇を見つめる―現代において「西鶴を読む」ということ
著者等紹介
有働裕[ウドウユタカ]
1957年、兵庫県生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科修了(教育学修士)。現在は愛知教育大学教授。専門は、近世文学および国語教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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