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内容説明
人間とは何か、人生とは何か―。世界的に高名なノーベル生理学・医学賞受賞の著者が人間の可能性と未来を鋭く考察。全世界で一千万突破の、人生哲学最高の書。
目次
第1章 人間とは何か―その多様な資質の未来
第2章 「人間の科学」―分析から総合へ
第3章 行動する肉体と生理
第4章 創造する精神
第5章 人生の密度と「内なる時間」
第6章 適応の構造
第7章 「知的個人」の確立
第8章 人間復興の条件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
98
最初のほうは読んでいて人間についての精神や肉体的な論点からのものであり違和感がなかったのですが、後半の最後のほうではかなり優生学的な考え方が入っています。書かれた当時(今から80年ほど前)の環境を考えれば仕方ないのかもしれません。白人社会全体の考え方がこのようなものであったということなのでしょう。2017/08/28
ヴェルナーの日記
98
正直、悪い意味でのトンデモ本だ。一見、『人間』を生化学・遺伝子学・精神分析学等といった医学全般に亘り分析・解析をしているが、その根底に潜む思想が優生学に基づいている。著者アレクシ・カレルは、フランスの外科医・解剖学者・生物学者で1912年にノーベル生理学・医学賞を受賞した人物であり、本書は『選りすぐりの指導階層の形成を確保し、当時世界を席巻した選択的優秀者教育を行うことで弱者を含む社会全体をより良くする』という内容である。彼は社会的弱者の過保護を容認せず、精神薄弱者・犯罪者を生み出す元凶と位置付ける。2016/09/28
Bashlier
18
5/5 ハト派民主主義が極まった現代と真逆の極タカ派著作。”人間も動物の一種。天才を可能なだけ生み出すために個々人が絶え間ぬ努力を続け、優れた人間に限って子孫を残すべき”という厳しい主張です。読メユーザーの非難轟々。1920年代にノーベル賞受賞かつ世界的ベストセラーになりましたので、100年の時を経て真逆の評価を受けています。ハト派優位の風潮では批判され、タカ派優位では称賛される、社会が今どのサイクルにあるのかを示す羅針盤のような作品です。常に厳しい目と優しい眼差しの双方で社会を見つめたいと思案します。2023/03/26
ほじゅどー
16
★★★77年前、フランスの医師が書いた大胆な考察。医学や生物学の進歩が物理学や天文学に比べて遅い理由は「多様性」があるため。人間の中には広大な未知の世界がある。科学技術の進歩で生活リズムは速くなった… 。科学は真の幸福をもたらしたか?視野の狭い専門家は危険。「肉体」と「精神」は同じ対象を異なった方法で捉えたもの。幸福は「知的活動」「道徳的活動」「肉体的活動」の3つのバランスが不可欠。人間は脳と全ての器官で思考する。目的のある行動は精神、器官に調和をもたらす。後半の階級制度と優生学はちょっと危険な思想。2012/09/10
yori
13
★★☆☆☆ 最初から付いていけなかったので飛ばし読みをしていたら、最後の最後で「優生学を取り入れる」とあり、ドッカーーン。時代背景もあるのかもしれないが、自分の尊敬するタイプの人間では無いなと思ってしまった。いくらノーベル賞受賞学者だとしても。そっか、ノーベル賞取ったからと言って、それは優れた業績に与えられるものであって、必ずしも優れた人格であると言っているわけではないのだな。なんでも鵜呑みにするのはやめよう。ノーベル賞だろうが、オリンピックの金メダルだろうが、大統領だろうがなんだろうが。2012/08/30