内容説明
物語に描かれた50の食事シーンが今よみがえる―読書家も、くいしんぼうも、写真ファンも大満足。
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作品について
1 ~ 1件/全1件
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
96
鼻眼鏡さんのおすすめ本。各小説ごとに両開きで左ページが小説の食事場面の短文とエピソード、右ページが皿等に乗ったカラー写真の食べ物で、この写真のセンスが良い!。『不思議の国のアリス』ではお茶会風食器逹に混ざってトランプのクイーンやエース、懐中時計など『ガリヴァー旅行記』では通常サイズの皿の横には、グリンピース50個分位の空間にランチョンマットの上にナイフ、フォーク、食べ物が乗った食器と。結末が複数用意されている『石蹴り遊び』は、読んでみたい。2017/10/11
kinkin
78
物語に書かれた50の食事シーンが、小説の中のセンテンスと再現した写真で構成。冒頭のレイ・ブラッドベリの本をむさぼり食ったという部分は大好きな部分だ。本を禁じられた世界でありとあらゆる本を読んだという箇所だ。華氏451度「白鯨「」から始まる。どの食事も一度食べてみたい。「若草物語」のぜりーや「ロビンソン・クルーソー」の果物、「ザ・ロード」の缶詰。ただし「「百年の孤独」の土は遠慮したい。他、とにかく写真がとても素晴らしい。日本の文学や小説もこんな風に再現してもらえると嬉しい。図書館本2024/04/20
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
78
物語に描かれた食事シーンを『ひと皿』に収めるという着想がユニーク。『ライ麦畑でつかまえて』のチーズサンドイッチ、『赤毛のアン』のいちご水、『風と共に去りぬ』のじゃがいも、『ザ・ロード』の缶詰の梨、『ピーターラビット』の黒いちご、あまりにも有名な『ハイジ』のチーズが乗った黒パン……。確かに皿の上に物語がみえる。「おいしそう」と頁を繰っていくと、変色した野菜屑が乗った皿もある。『変身』で虫になったグレーゴルのために用意された食事だ。団欒、たくらみ……食卓の風景に共通するのは様々な感情と共に「生きる」という事。2016/08/21
ネコタ
63
文学作品に出てくる食べ物を著者が料理してその写真とともに一節を紹介してくれる本。著者が気になっていたのは「ハイジ」に出てくるチーズを乗せたパンみたい。どの料理もかわいらしく作られているなかで興味深かったのが、カフカ「変身」に登場する、いろいろな食べ物、というか食べ物のくずというか。マルケス「百年の孤独」で出てきたのは土だった。さらにいろいろな本を読んでみたくなる。2018/09/13
よこたん
52
出合ったことのある食べ物にはついつい頷き、見たことも食べたこともない未知のものには、どんなのだろうと想いをはせる。今でこそ検索という手があるが、子どもの頃はもう自分で想像するしかない世界だった。想像を通り越してもはや妄想上の食べ物は、キラキラと輝きながらずっと胸の内にあり続ける。この本には写真のみでレシピは寄せられていない。それでいい。あくまでも、物語の中のもの。食卓は決して美しく装われたものばかりではない。食べかけ、焦げたパン屑、汚れの付いた器…生活のにおいがしてきそうだ。『レベッカ』の食卓に憧れる。2017/06/18
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- 和書
- 梟の裂く闇 角川文庫