内容説明
後を追って来た富樫に酒を振る舞われ、延年の舞を舞ううちに、義経たちを先に立たせ、自分が笈を背負い金剛杖を持って後に続く。幕外に出た弁慶は、まず富樫に深々と一礼し、次に天を仰いで頭をたれ、飛び六法で飛び去って行く。全身全霊の力を振り絞って守り抜いた義経の後を跳ねるように追って行く海老蔵の弁慶の姿に、私は拍手を送りながらも涙がにじんだ。それは海老蔵が創り上げた舞台への満足の涙であり、また義経の後を追い、去って行った海老蔵への別れがたい涙でもある。
目次
第1部 海老蔵胎動(歌舞伎修業;芸談;舞台を見る;身体能力 ほか)
幕間 閑話休題(人相書;ノンポリ;歳月;有閑マダム ほか)
第2部 海老蔵躍動(海老蔵襲名を祝う;May Storm;さすが海老蔵!!;さすが歌舞伎!! ほか)
著者等紹介
花菱良子[ハナビシリョウコ]
大阪府生まれ。大阪教育大学卒業。関西・歌舞伎を愛する会会員
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