感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
21
【この写真集は、人間が人間を苦しめた、人類の歴史に比類ない迫害の記録であり、叫ぶことも訴えることも知らないある漁夫の物語である】という著者の言葉によって、この写真集のテーマは「核兵器(の被害)」よりも「人間(による迫害)」であることが分かります。この写真集を読んでいる間も辛かったですが、読み終わった後も、「被写体となっている中村さんのような人は他にもたくさんいる」ということと、「本来中村さんの手術に使われるはずだったお金がピンハネされている可能性」が頭をよぎり、ますます辛くなりました。2017/08/14
勝浩1958
12
このような悲劇があっていいものだろうか。日本という国は自らが引き起こした戦争による国民の苦しみに対処しようとしない。なぜなんだという怒りを覚える。虐げられるのは決まって病者や貧者や老人や子供たちなのだ。現在の被爆者援護法の適用を受けられずに、未だに苦しんでいる被爆者がいないことを祈る。2017/07/22