内容説明
「ことば」とは何か。「ことば」は単なる情報伝達の手段ではなく、身体に根ざし、時間の中で生成・消滅し、記憶と集団的連帯を形づくる。語られる声の刹那性と、テクストによる固定化・反復可能性との緊張関係をはらみ、我々の意識に刻まれ、魂の在り方に深く関わる。本書は、哲学、神学、文学、歴史学、言語学、美術史など分野横断的な知を結集し、古典古代から現代に至るヨーロッパ、イスラーム、ビザンツ世界を中心に、ことばが文化の諸形態において果たしてきた創造的営為を、多角的な視座から検討する共同研究の成果である。テクスト論、認識論、表象論、思想史、文化史など多元的なアプローチによる10章の論稿は、有機的に連関し、互いに響き合いながら、ことばの身体性・社会性・歴史性を解き明かしていく。言語文化研究に新たな地平を拓く、刺激に満ちた一冊である。
目次
第1部 声の刻印とことば(声と風と聖霊―中世における聖霊論の一側面(山内志朗)
声の刻印―E.バンヴェニストの言語思想における声とエクリチュールの接近(小野文))
第2部 神の語りかけとテクスト/表象(ペルソナ間で対話する神―神・劇(Theo‐drama)における旧約文書の活喩法的読解(土橋茂樹)
遍在する神の声―イスラーム圏の美術・建築を飾るコーランからの銘文(鎌田由美子))
第3部 教え導くことばとテクスト(アビンドンのエドマンド『教会の鏡』における読者層―活動的生活と観想的生活をめぐって(松田隆美)
錯綜する声とテクスト―15世紀イタリアの説教記録から(大黒俊二)
聖女伝を書く説教師―トマ・ド・カンタンプレ(1201‐72頃)の声をめぐって(後藤里菜)
神学者レジナルド・ピーコックとテクストの声(井口篤))
第4部 響き合うことばと儀礼(世界秩序と皇帝理念をよみがえらせる歓呼の記録―10世紀ビザンツ宮廷儀礼に見える「帝国」と諸民族(大月康弘)
信じることば、裏切ることば―中世ヨーロッパの挙証することば(岩波敦子))
著者等紹介
岩波敦子[イワナミアツコ]
1962年生まれ。慶應義塾大学理工学部教授。専門:中世ヨーロッパ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 洋書電子書籍
- Adsorption and Degr…
-
- 洋書電子書籍
- Smart Technology Ap…



