感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よしださいめい
4
日中戦争・太平洋戦争により、「精神分裂病」(現在は「統合失調症」に変更)を発症した、つまり、PTSDに罹ったことを、多くの文献・資料をもとに、論述した本。 病気の分類、発症原因、治療の実態、病気の予後など、また、今なお残る問題についても数多く指摘されている。 データの誤りや誤表記が多数あり、また、あらたに見つかった精神障害軍人のデータ、新たに公開となった資料もあり、加筆・修正の必要性から「絶版」となっている。 重要な記録なので、筆者、出版社には、差再度刊行を望む。後世に遺す意味においても。2016/03/27
seychi
3
旧軍における徴兵制に適合しなかった兵士および戦地での精神的疾患により兵役に適さざる状態になった兵士の記録。とはいっても各種資料の分析がメインでその者達の証言集ではない。しかし徴兵制というシステムの中で元来身体に障害あった者達への風当たりの強さは今となっては想像も出来ない。 また以前からあったが特に湾岸戦争以降取りざたされるPTSDの症状もこの当時からも問題になってた事が分かる。よく調べてあり分析も丁寧だけど・・・書いてる人達の言葉遣いがどうも左っぽくて萎える。ドキュメントというより医学書的な本。2014/08/29