内容説明
境界のない世界、自分だけの越境。「台湾で生まれて日本で育った一個人」の世界と自分の境界を巡る旅。
目次
曖昧な時代をゆく―序文にかえて
第1章 バナナ人間の悲哀
第2章 みんな祖母に殴られて育った
第3章 わたしはイケてないし、あなたもイケてない
第4章 テキーラ!
第5章 俺たちはなぜ年相応に尊敬されないのか?
第6章 アメリカはビジネスだ
第7章 トーク・イズ・チープ
第8章 作家の幸福
対談 リービ英雄×東山彰良 日本語小説の場所としての「台湾」
著者等紹介
東山彰良[ヒガシヤマアキラ]
作家。1968年9月11日台北生まれ。2002年、『逃亡作法 TURD ON THE RUN』が「このミステリーがすごい!」大賞の銀賞・読者賞受賞。09年『路傍』で大藪春彦賞、15年『流』で直木賞受賞。16年『罪の終わり』で中央公論文芸賞、17年『僕が殺した人と僕を殺した人』で織田作之助賞、18年同作で読売文学賞、渡辺淳一文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
145
東山 彰良は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。エッセイは2作目です。バナナ人間とは、表面は黄色人種(中国人)ながら、一皮剥くと西洋かぶれ(白い)の人間の例えだったんですネ🍌🍌🍌 著者はかなりミーハー化しているような気がします。2019/08/09
修一朗
86
地元ラジオでパーソナリティやって,出身大学で講義持って,地元紙で映画コラム書いて,一年に一つ小説出して,さらにブルースファンのテキーラマエストロで…,と地元福岡に根を張ったエンジョイライフぶりがにじみ出てくるお話の数々だ。越境文学の書き手たる自負はあまりないとおっしゃるけども,当時の台湾を切り取ってそれを日本語で表現できる書き手はそうはいないと思うぞ。肩の力が抜けて楽しいエッセイ集でした。ちなみにワタシもずっと「推稿」と思っていました。気づけて良かったです。 2019/10/13
R
26
いくつかの連載エッセーをまとめた本だが、創作の原動力や、ちょっと鬱屈した思想というほどでもない、性格が伺い知れる内容で面白かった。なんだかんだモテたいという強い想いが文章のそこかしこから立ち上っていて、作風通りの部分もあって楽しかった。タイトルが後付けだったそうだが、実際に様々な垣根や、境界を越えた存在や、創作に携わっているのは本当で、意識していないからこそ、超えられるものを持っている人だと感じた。2024/06/21
Hisasi Hasida
21
そぅやなぁ~ッ !! 今の世の中、波風立てんようにするには 気に入らん事には優しさを装った無関心でやり過ごすのが賢明なんかも知れへんなぁ~ッ !!! って、思ったエッセイ 。。。2019/10/16
nana&qoo
19
東山さんのエッセイ。アイデンティティや、直木賞受賞作の『流』について、台湾式育児やテキーラ、セクハラパワハラ感、自由についての考え。どれも、著者らしい見解で面白かったです。台湾生まれの5歳からはほぼ日本育ち。日本語、特に四字熟語を巧みに操り(→勉強になります♪)福岡に居住していて国籍は台湾。『越境』のタイトルにもつながる著者のルーツがよく伝わる1冊でした。リービ英雄さんとの対談も良かったです。やっぱり少しめんどくさい人ですが、愛すべき小説家の1人だと思います。2019/12/08