出版社内容情報
口の中でさっととけて、おいしさが広がるチョコレート。その秘密は、原料のカカオの油が持つふしぎな性質にあります。しかしその性質ゆえに、人類がカカオに出会ってからチョコレートを作り上げるまでには、一万年近い時間がかかりました。自然と人間のさまざまな営みが深くかかわり生まれたチョコレートには、驚くような技術と長い歴史がつまっています。チョコレートを食べながら、その奥深い世界も味わってみませんか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
100
junaida氏の絵を拝見する機会があり、本著を手にしました。優しさと機知に富み、原作の示唆をふんだんに盛り込んだ描写。中でも『ミルクチョコレートの拡大図』は、宝性移管がありお気に入り。さて本題。論理面での油、温度、結晶、物理面での製造過程。カカオ生産地による味わいの差異、飲み物から食べ物への変遷、何と1.5万年!?そして表題の”ひと粒”への軌跡で〆。勉強になりますね。裏表紙裏で拝見した資料提供元情報も印象的。2024/03/03
☆よいこ
95
分類588。絵本ぽいけど読み聞かせには長い▽チョコレートは不思議な「油」約25度以下では固い結晶になるのに人の体温に近い温度で溶ける油はほかにない。チョコレートの歴史。ダークチョコレートからミルクチョコレートへ▽junaidaのイラストがいい。2023.10刊2023/12/06
たいぱぱ
92
装丁がヤバすぎる!まさかこれは…やっぱり!表紙を取ったら本自体が板チョコになってる✨junaidaさんやる〜!!チョコレート研究の第一人者・佐藤清隆さんの文章だけあって、チョコレートとなって食べられるまでの歴史や、科学的なカカオの分析が語られてます。だから思いっきり子供向けではありません🤣。かといってヨシタケシンスケさんのような大人の哲学書でないマジチョコ絵本。junaidaさんの子供のイラストがとても好きですが、伊坂さんの『逆ソクラテス』の印象が強すぎて「僕は、そうは、思わない」って今にも言いそう🤣2025/03/04
けんとまん1007
90
まさしく、ひと粒のチョコレートに、これだけの自然の恵みと、人の英知と努力と、科学・歴史がこもっているとは、驚きを超えたものがある。コンパクトな説明と、JUNAIDAさんの絵がうまくコラボレーションしていて、すっと心にも入ってくる。チョコレートの種類や、カカオ豆の産地毎の特徴など、なるほどなあ~と思う。今度、チョコレートを食べる時に、いろいろ想い出しそうだ。2024/10/05
とよぽん
71
何と素敵な絵本! 眺めては読み、読んでは眺め、絵の隅々までじっくり見て味わう絵本だった。さすが、junaidaさん、読者の目をとりこにする。華麗で、しかもかわいいい絵本。これを読んで、チョコレートに対する意識が変わった。こんな歴史があったのかと。カカオという植物の特徴、それをいかにして最大限引き出すかの工夫と試行錯誤の繰り返し。ひと粒のチョコレートの美しさ美味しさを、そこに込められた先人の1万年に渡る労苦に思いを至らせながら楽しみたい。チョコレートはお菓子の王様!2024/01/06
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- 和書
- 武士はつらいよ 角川文庫