出版社内容情報
今から約800年前のトルコ。王女のトゥーラーンは物語に憧れ、主人公のように自由に生きたい、自分の意志でなにかを成し遂げたいと願っていました。やがて運命は、山奥の小さな王国ディヴリーへとトゥーラーンを導きます……。今も多くの謎に包まれたトルコの世界遺産、「ディヴリーの大モスクと治癒院」をめぐる人々の、壮大な歴史物語です。
内容説明
王女トゥーラーンは、好奇心にあふれ、自由な精神を持つ少女。物語にあこがれ、その主人公のように生きてみたいと願っていました。やがて運命は、山奥の小さな国ディヴリーへとトゥーラーンを導きます…。今も多くの謎に包まれたトルコの世界遺産、「ディヴリーの大モスクと治癒院」をめぐる人々を描く歴史物語です。
著者等紹介
新藤悦子[シンドウエツコ]
1961年愛知県豊橋市生まれ。津田塾大学国際関係学科卒業。『青いチューリップ』(講談社)で日本児童文学者協会新人賞受賞後は児童書作家としても活躍
佐竹美保[サタケミホ]
1957年生まれ。SFやファンタジー、古典・絵本・児童文学と幅広いジャンルの挿絵で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鳩羽
8
トルコの小さな国の王女トゥーラーンは、姉たちのように言われるままに嫁ぐのが嫌な自由闊達な少女。姉の輿入れの供をして山国ディヴリーを訪れた時、ディヴリーの王子のアフマドシャーと出会う。運命に導かれるようにディヴリーに嫁いだトゥーラーンは、アフマドシャーの大モスク建築の事業に治癒院を加えることを提案する。…世界遺産にもなっている大モスクと治癒院が作られた経緯を、想像して描かれた物語。長い時間と人々の仕事と生き様が淡々と記された長編で、歴史を知ることもでき、読み応えがあった。石の彫刻の挿絵が素晴らしい。2022/08/29
月華
7
図書館 ブックサンタに選んでいる方がみえて借りてみました。本の分厚さにびっくりしましたが、文章は読みやすかったです。史実を元にした創作とのこと。読んでいると実物を見てみたくなりました。2022/11/21
kokonatupotato
5
500頁以上あり、一部の読書好き以外には敬遠されるだろう。それでも購入を決めたのはマンネリ化した児童書に新風を吹き込みつつも昔ながらの大切なポイントをおさえている良質な作品だから。1ページあたりの文字数は一般書よりも少なくフォントも大きいので読みやすい。加えて展開が気になる場面も多く読者を最後まで飽きさせないため一気に読める。そして、読んだ後はトルコの歴史や建築を深堀りしたくなった。特に石工が彫ったと思われる作品が観たくなり画像検索した。圧巻だった。ただ、上橋作品のような心理描写の重厚さはない2023/04/08
kira
5
トルコ・ディヴリーにある世界遺産の大モスクと治癒院ができるまでの物語。当時から不安定な中東の情勢を描きつつ、それでも争いを厭い、戦わず平和を願った人が描かれている。記録も少なく史実ではなく、想像で描かれた部分が大半だと思われるが、「物語」として楽しめる。ページ数も多く、チャレンジ読書な一冊。2023/04/02
つん
5
トルコにあるディヴリーの大モスクと治癒院建造に関わった人たちの物語。王と王妃、石工、遊牧民の少女、様々な人々が関り合い、想いを形にしていく。そして、彼らを取り巻く戦の足音…。歴史をベースにしているので、聞いたことののある人物名や場所が飛び出し、さらに想像を掻き立てられました。一度は本物を見てみたい、という気持ちにさせてくれます。2023/03/18