出版社内容情報
今から約800年前のトルコ。王女のトゥーラーンは物語に憧れ、主人公のように自由に生きたい、自分の意志でなにかを成し遂げたいと願っていました。やがて運命は、山奥の小さな王国ディヴリーへとトゥーラーンを導きます……。今も多くの謎に包まれたトルコの世界遺産、「ディヴリーの大モスクと治癒院」をめぐる人々の、壮大な歴史物語です。
内容説明
王女トゥーラーンは、好奇心にあふれ、自由な精神を持つ少女。物語にあこがれ、その主人公のように生きてみたいと願っていました。やがて運命は、山奥の小さな国ディヴリーへとトゥーラーンを導きます…。今も多くの謎に包まれたトルコの世界遺産、「ディヴリーの大モスクと治癒院」をめぐる人々を描く歴史物語です。
著者等紹介
新藤悦子[シンドウエツコ]
1961年愛知県豊橋市生まれ。津田塾大学国際関係学科卒業。『青いチューリップ』(講談社)で日本児童文学者協会新人賞受賞後は児童書作家としても活躍
佐竹美保[サタケミホ]
1957年生まれ。SFやファンタジー、古典・絵本・児童文学と幅広いジャンルの挿絵で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぽてちゅう
22
トルコの世界遺産「ディヴリーの大モスクと治癒院」。山間の小さな町に、なぜ高い技術誇る建築物が建てられ未完に終わったのか。史実と想像を織り交ぜその謎に迫る物語。主人公は王女トゥーラーン。大好きな物語の主人公のように自由に生き、運命の相手に出会いたいと夢見る少女。ディヴリーの王子アフマドシャー、天才石工のフッレムシャーとの運命的な出会いから、自分で何かを成し遂げたい、みんなのための治癒院を建設したいと願うように。夢見る少女の描いた夢は、本の中から飛び出し、みんなの拠り所になり、宝物として後世に伝わっています。2024/09/25
さく
15
佐竹美保さんの、草の匂いや爽やかな風を感じるような表紙に惹かれて手に取りました。とても良かったです!!トルコの世界遺産、「ディヴリーの大モスクと治癒院」から着想を得た物語。史実を踏まえて、ここまで想像を膨らませられるなんて!新藤さんの本を読むのは2冊目ですが、他の本も読みたいです!児童書ですが、大人にもおすすめできる物語です!私もディヴリーに行きたい!彼らの作ったいのちの木を見たい!!2025/02/04
waraby
8
オスマン帝国が確立される前、13世紀のアナトリア。小国エルジンジャンの末の王女トゥーラーンは、姉の結婚で訪れたシヴァスで、山岳国ディヴリーの王子アフマドシャーと顔を合わせる。二人の運命が重なっていき……二人の他に家庭教師、家臣、石工(フッレムシャー)、その弟子、遊牧民の娘、商人など、大河ドラマみたいにいろいろな人物がうまく配置されくっきりと描き出されており、読み応えがある。528ページを読み終えるのがさみしいくらい。そして佐竹美保さんの絵。特にディヴリーの大モスク(と治癒院)の模様の素晴らしきかな。2024/10/03
月華
8
図書館 ブックサンタに選んでいる方がみえて借りてみました。本の分厚さにびっくりしましたが、文章は読みやすかったです。史実を元にした創作とのこと。読んでいると実物を見てみたくなりました。2022/11/21
鳩羽
8
トルコの小さな国の王女トゥーラーンは、姉たちのように言われるままに嫁ぐのが嫌な自由闊達な少女。姉の輿入れの供をして山国ディヴリーを訪れた時、ディヴリーの王子のアフマドシャーと出会う。運命に導かれるようにディヴリーに嫁いだトゥーラーンは、アフマドシャーの大モスク建築の事業に治癒院を加えることを提案する。…世界遺産にもなっている大モスクと治癒院が作られた経緯を、想像して描かれた物語。長い時間と人々の仕事と生き様が淡々と記された長編で、歴史を知ることもでき、読み応えがあった。石の彫刻の挿絵が素晴らしい。2022/08/29