感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
297
降誕節も終わり、もう明日は「灰の水曜日」なので、暦には合わないのだが。ルース・ソーヤー再話。原話はアイルランドに伝わるお話。上條由美子訳、岸野衣里子の絵。上條のしっとりと語りかけるような訳文は素晴らしい。岸野の絵は水彩が優しい情景を伝える。アイルランドのお話とあって、カトリシズムと妖精物語とが融合したような内容。絵本というよりは、挿絵入りの物語本。小学校高学年以上向きか。2024/02/13
アキ
74
アイルランドの妖精のおはなし。原題“The Wee Christmas Cabin of Carn-na-ween”福音館書店・世界傑作童話シリーズの1冊。装丁も挿絵もお話もクリスマスのプレゼントにぴったしです。たくさんの妖精が出てくるところはコロボックルを連想します。再話のルース・ソーヤーはボストン生まれ。アイルランドからアメリカへの移民された方なのでしょうか?90歳で1970年に亡くなられていますが、訳者の上條由美子氏も88歳にして現役の翻訳家なんですね。岸野衣里子さんの絵がやさしい色調で癒されます。2020/10/24
はる
64
優しい物語なのですが、何故か淋しさを感じてしまいます。この温かな結末に別の意味があるのでは、と。かつてのアイルランドの人たちの質素な暮らしぶり。子供たちはこういう昔話を通して道徳を学び、時には辛い暮らしを耐えたのでしょう。岸野衣里子さんの絵が好み。2020/11/03
yomineko@猫と共に生きる
62
読み友さんのご紹介です。アイルランドにはこんなに素敵な物語があったんですね✨美しく生まれながらも恵まれず、年を取ってしまった女性。でも優しい心を持ち合わせていてとっても素晴らしい。クリスマスには奇跡が起こります。2021/11/24
とよぽん
61
表紙の素敵な絵と、「妖精」という言葉に惹かれて読んだ。鋳掛け屋に捨てられた赤ちゃんを、村の人たちは完璧なまでに差別する。娘になったオーナの夢は、年老いたものをやさしく世話してやれば、だれかがいつか、オーナの家とよべる小屋を残していってくれるかもしれない、というものだった。だが、どんなに誠心誠意を尽くしても報われず、年を取ったオーナは飢饉の年のクリスマス・イブの夜、一人で野宿を・・・。そこでようやく妖精の登場である。妖精というと北欧を思い浮かべるが、アイルランドにもこんなお話があったことを知った。2021/06/03