感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
300
降誕節も終わり、もう明日は「灰の水曜日」なので、暦には合わないのだが。ルース・ソーヤー再話。原話はアイルランドに伝わるお話。上條由美子訳、岸野衣里子の絵。上條のしっとりと語りかけるような訳文は素晴らしい。岸野の絵は水彩が優しい情景を伝える。アイルランドのお話とあって、カトリシズムと妖精物語とが融合したような内容。絵本というよりは、挿絵入りの物語本。小学校高学年以上向きか。2024/02/13
吉田あや
75
古くからアイルランドに伝わる妖精とあるひとりの女性「オーナ」を巡るクリスマスのお話。貧困の中旅暮らしをする家族は、ある日多すぎる子供を一人一軒の小屋の戸口に置いていった。少女は育ての母の愛を受けて育ち、誠心誠意家族に尽くしたが、夫妻が亡くなると長年に渡り彼女のひとつきりの願いである居場所が欲しいという慎ましいその願いすら、いとも簡単に断ち切られた。旅立ってからも困っている人があればそこへ行き、人に尽くし、心を寄せるも、生い立ちが人生の分岐点でことごとく彼女を絡め、哀しい裏切りで縁どられる。(⇒)2020/12/22
アキ
75
アイルランドの妖精のおはなし。原題“The Wee Christmas Cabin of Carn-na-ween”福音館書店・世界傑作童話シリーズの1冊。装丁も挿絵もお話もクリスマスのプレゼントにぴったしです。たくさんの妖精が出てくるところはコロボックルを連想します。再話のルース・ソーヤーはボストン生まれ。アイルランドからアメリカへの移民された方なのでしょうか?90歳で1970年に亡くなられていますが、訳者の上條由美子氏も88歳にして現役の翻訳家なんですね。岸野衣里子さんの絵がやさしい色調で癒されます。2020/10/24
はる
65
優しい物語なのですが、何故か淋しさを感じてしまいます。この温かな結末に別の意味があるのでは、と。かつてのアイルランドの人たちの質素な暮らしぶり。子供たちはこういう昔話を通して道徳を学び、時には辛い暮らしを耐えたのでしょう。岸野衣里子さんの絵が好み。2020/11/03
yomineko@ヴィタリにゃん
64
読み友さんのご紹介です。アイルランドにはこんなに素敵な物語があったんですね✨美しく生まれながらも恵まれず、年を取ってしまった女性。でも優しい心を持ち合わせていてとっても素晴らしい。クリスマスには奇跡が起こります。2021/11/24
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