出版社内容情報
臨時廻り同心の長尾勘兵衛は、還暦になった今も江戸市中を歩きまわっていた。同年配の同心たちはほとんど隠居したが“うぽっぽ”は変わらず、弱者のために一命を惜しまない。十数年前に島送りとなった男の帰りを娘に伝えるか逡巡していた勘兵衛は、偶さか居合わせた若い侍から自身の潔白を訴える最期のことばを託され……。傑作捕物帳、新章開幕!
内容説明
臨時廻り同心の長尾勘兵衛は、還暦の今も江戸市中を歩きまわっていた。同年配の同心たちはほとんど隠居したが“うぽっぽ”は変わらない。勘兵衛は、十数年前に島送りとなった男の帰りを娘に伝えるか逡巡していた。そのとき偶さか居合わせた若い侍から身の潔白を訴えられて…。傑作捕物帳シリーズ新章、待望の書き下ろし。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。十一年の会社勤めを経て文筆の世界へ入る。江戸の情緒と人情の機微、そして花鳥風月を醸し出す筆致で、多くの読者を魅了している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
95
シリーズの最初から読んでいるわけではないのですが、いくつか読んだのですが新作ということで読んでみました。かなりの年齢になっても江戸市中の安全のために歩き回っています。ここでは3つの話が収められています。坂岡さんの「鬼役」シリーズでは遠山金四郎が出てきますが、このシリーズで耳袋」を書いた南町奉行の根岸肥前守が出てきます。自分の手に余る場合は根岸の力を借ります。また袖の下を取らないので他の不浄役人からは嫌われていますが正義を守るといつことで読後感すっきりです。2024/12/18
タイ子
77
新シリーズ開幕でいきなり数年後の話に。うぽっぽ同心・勘兵衛の周囲が変わってるのにビックリ。まず、勘兵衛の娘・綾乃が嫁いで子供がいる。勘兵衛は還暦を迎え、行方不明だった妻と居酒屋女将のおふうのその後が…そうだったの?!この作品は復刻後しか知らないので、もしかするとそれ以前の作品でいろんな事の詳細が描かれているのかも。いきなりこの顛末を聞かされても納得できないにわかファンです。還暦を迎えても相変わらず正義を貫く勘兵衛の姿はいいですね。「何も焦ることはねえんだ、遠回りしてこその人生なんだぜ」9月刊行が楽しみ!2023/05/22
とし
70
うぽっぽ同心終活指南 1巻。還暦になっても尚現役で頑張る、南町奉行所臨時廻り同心長尾勘兵衛さん次巻の活躍も楽しみです。2023/04/03
ひさか
29
2023年1月中公文庫刊。書き下ろし。新シリーズ1作目。島帰り、月見の味、埋み火、の3つの連作短編。相変わらずに正義を貫こうとする勘兵衛が熱い。しかもラストへの盛り上げ方も坂岡さん流で見事です。長尾勘兵衛の帰還はうれしい。続編に期待。2023/03/31
ゴルフ72
24
弱きを助け悪を裁く!・・・第1話十分な吟味もなく島送りとなった岩吉が帰ってくる。一人娘との再会の機会をどう演出させるか?うぽっぽって最高!月見の味も良かったなあ! このシリーズ読むごとに好きになる。2023/06/29