感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
96
電気に頼る現代の生活も、一言でいうとたき火の延長なんですね。ヒトは火を恐れ火を馴らし火を利用して調理をし、土器を作り金属で道具を作り、燃料に多くの木を伐り植物や微生物が元の石炭や石油を燃やし、電気を生み出し、インターネットにつながる世界になった。1万年前数百万人だった人間が21世紀の内に100億人と、はじめの1万倍にも増えそうです。エネルギーの問題は地球という資源が元になっていることで、人は毎日たくさんの火を燃やし続けているのですね。人の火とのつき合いの歴史から地球の環境問題につき考えさせられる絵本です。2021/04/21
G-dark
40
火が歴史に与えた影響を学べる絵本。人間が火を使うようになる→肉や器を焼ける→金属を使って様々な道具を作る→燃料を求めて木々を伐採→更なる燃料を求めて石油を掘る…といった歴史の流れも丁寧に描かれています。そうして地球の資源を減らしていくのに人間の数や一人ひとりが使うエネルギー量は増える一方…ということにも警鐘が鳴らされています。わたしはこの絵本を読んでいて、『風の谷のナウシカ』の「多すぎる火は、何も生みやせん」というセリフを思い出しました。火は上手に使えれば便利なものですが、使いこなせないほどの火は危険。2021/10/05
たまきら
35
人と火の関係を原始の時代から時系列でエネルギーの進歩とともに説明している、とても分かりやすい一冊です。娘さんはもっと焚き火時代について知りたかったみたいですが、オカンは問題提起もしているこの本をとても素晴らしいと思いました。2020/12/13
ヒラP@ehon.gohon
26
火の発見から始まった、人とエネルギーの関係は、地球環境をおびやかし、人の生活に大きな脅威をもたらすところまで拡大してしまいました。 シンプルでありながら、わかりやすくて説得力のある、解説絵本です。 本当に伝えたいのは、少し長めの解説ですね。 でも、自然と読む気になれる絵本です。2023/12/25
riviere(りびえーる)
25
歌人としてしか知らなかった松村由利子氏がこんな科学絵本を書いていたとは。新聞記者として科学欄も担当していた経歴を知って納得できた。絵本はスッキリ淡々と火から始まるエネルギーの歴史とこれからについて書いてある。授業の導入に使えばいいのだろうか。コメント欄に著者の職業詠とも言える歌を少しご紹介。絵本とはまた異なるヒリヒリしたリアルな感覚が魅力的。2020/07/25