感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
86
1965年、死者237名と27名の一酸化炭素中毒者を出した三井山野炭鉱のガス爆発事故。この事故で父親を亡くした友だちとの思い出や筑豊での生活を描いた絵本。炭坑で働く人たちの住む長屋、石炭を運ぶ列車、線路の両側にあるボタ山(九州ではボタ山、北海道ではズリ山という)、黒くにごった川、事故の悲報を告げるヘリ、転校していった同級生からの手紙。原風景が重なる。2015年に第46回講談社出版文化賞を受賞した絵本作家のデビュー作。2024/11/04
鱒子
74
図書館本 舞台はわたしが住んでいるところの隣の市。昭和40年に実際に起きた大きな炭鉱事故をあつかっています。モノトーンで描かれる炭鉱町の少女たちの日常。ピンク色の定規だけが鮮やかで印象的です。2021/08/07
アナクマ
38
舞台は昭和40年、福岡県嘉麻市の三井山野炭坑。小学生の友情物語を黒く柔らかな鉛筆画で。家族でおはぎのような豆炭をつくったり。「大きなボタ山は、ときどき山くずれをおこし、長屋をおしつぶすことがありました。また、自然発火して、けむりが出たり、火事になることもありました」◉禁止されてもそこが遊び場。足元には真っ黒な泥の川。「だいじょうぶ、とべる!ブロックをぐっとにらんで、川をみたらいかんよ!いち、にの、さんでとぶんよ!」どの時代も、冒険と友情は欠かせない通過儀礼。願わくば、良い思い出として在らんことを。2023/04/16
gtn
35
他人をも元気づける逞しき人たち。そんな人たちを一瞬にして消し去る事故。残された者は、どう生きていくべきか、熟慮を迫られる。2022/08/19
ヒラP@ehon.gohon
28
ボタ山と言われて、その姿を頭に思い描ける人は、大人でも少ないのではないでしょうか。 そんなレアな題材を掘り起こしたのは、著者の石川さんが、隣のおじさんから何度も聞かされていたからでした。 大人のための絵本2021/10/27