日本傑作絵本シリーズ 絵本きりなしばなし

梶山俊夫

福音館書店（2009/03発売）

• サイズ A5判／ページ数 76p／高さ 24cm
• 商品コード 9784834024210
• NDC分類 E
• Cコード C8795

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[今ごろになって『虎に翼』を観ているおじさん・寺]

これはまた趣きのある絵本。全編木版画である。本文も著者後書きも木版画。一見の価値ありの見事なものである。日本昔話風の４篇のお話が収録されている。なんだか懐かしい気持ちになる一冊だ。人間を食べたい狼とそこへやって来た飛脚の話、夫が二十歳に若返った老夫婦の話、夜毎に行われる太っちょと痩せのっぽの相撲勝負の話と続き、ラストが表題作。これはまさしく題名通りの終わる事なき「きりなしばなし」である。絵を眺めているだけで楽しい。自分が木版画が好きだったとは、この本を見るまでは自覚がなかった。オススメ致します。

2015/10/07

[絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく]

短めの昔ばなしが４話。大人数の読み聞かせには向かない。「おおかみとひきゃく」は「飛脚とうわばみ」、「じじとばば」は「若返りの水」の話、語り方が面白い！『 おおかみとひきゃく / じじとばば / 秋の夜 / きりなしばなし 』

2024/02/05

[憩子]

梶山俊夫さんの版画絵本。4編収録。

2019/01/10

[のん＠絵本童話専門]

短くて面白い昔話が４つ。おおかみとひきゃく…似た話は世界中に、子どもの好きなちょっとお下の楽しいお話。じじとばば…他の昔話集で読んだことあり。若返りの水を飲みに行くと…。秋の夜…初見でした、夜相撲を取り合う男たち、この正体実は…。きりなしばなし…無限のパターンのあるきりなしばなし、へびはペロッじいさまはチョッキリ、かぜがぼふぁ とちのみがごろごろ からすががあ…∞。梶山俊夫さんの昔話絵本のいくつかがとても個性的な絵で惹かれています♡これは最高に好き。瀬川康男さん『ことばあそびうた』に似ている感じがします！

2021/03/31

[ヒラ[e-mail]]

梶山俊夫さんは不思議な存在感を示す絵で、物語を自分の境地に引き込んでしまう画家であるかと思うのですが、とても気になる作家です。 絵の中に、梶山さん独自のシンボルをいっぱい描き加えているのですがそれが語り部の言葉のように響いてきます。 そんな作品の中で、この絵本は梶山さんの勝負球というか全身の力を込めた直球のストレート。 お話というよりも梶山さんの作品として深みと味わいのある民芸品となっています。

2010/10/08